虫界隈では何かと盛り上がる要素の多い日ですがこちらは異状ありません。
いつものように仕事をこなし、特売イベントに目もくれず増種もしていません。
何か新しいものに手を伸ばす前に、溜め込んでいて消化しなければいけない事が多すぎるのです。幼虫のエサ交換は遅れ、採った虫の展足・脱脂は滞り、標本箱内で繁殖するカビの始末も後手後手・・・
モタモタしているとアッと言う間に採集シーズン。来週にはコクワ採集がスタートしているはずです。
とにかく「消化すべき作業」は数限りなくあるのですが、
今日はブログで1つ片付けておこうと思い記事を書いています。
さて今回は、久し振りにエラフスホソアカの記事。
このブログをはじめた2009年には登場していました。当時はトルンカートゥスと分離される前で、通販で「エラフス」を買っても「本物のエラフス」を入手するのはなかなか難しかったんですよね(特に♀が!)
トルンカートゥスが記載され、エラフスの特徴が公に認知されるようになると一気にペア売り価格が上昇し、♂と比べて入荷数が少ない♀は単品売りするようになった業者も出てきました。またある時はドッと入荷数が減り、「安くはない」程度だったのが「高額種」扱いになった年もありました。
自分は当時ホソアカに夢中(と言うかクワガタ全般やりたいだけ増種していました)で、多数の同属メジャー種と一緒に本種も熱心に観察・飼育していました。ファーブルハウスの鈴木店長も同時期にホソアカ熱が高まっていたので、ブリード方法や幼虫の育て方など、談論風発で楽しんで飼育していたのはいい思い出です。
そんなエラフスホソアカの飼育ですが、
実はちゃんと記事が片付いていませんでした。
遡ること実に12年前、
材飼育個体が美しく羽化した事を報告しました。
【遡ること実に12年前】 ⇒ 2012-5-10 王様へのステップ? |
この記事、当時自己最大の85mm♂を紹介して完結したのですが、その後に意味あり気なGIFアニメを残して記事を締め括っていました。
今見返してみると、あれで「おしまい!」と言うのはお粗末極まりないですね。
記事を読むと分かる(と思う)のですが、
実はあと1頭だけ幼虫が残っているよ! ってオチで、どういう心境だったかは忘れましたが多分「もう♀もいないから」と云う理由か何かで後続記事を書くモチベーションが保てなかったんだと思います。
その最後の1頭ですが、実はきちんと羽化していました。
そして、死んだ後もそれなりの形を保った状態で部屋の一画に放置していたんですよね。ちょっとだけ虫害には遭っているのですが、大事な思い出がそのまま朽ちて粉々になってしまうのは勿体ないと思い直しまして、一念発起「きちんと標本として遺す」ことに決めました。
最後に出てきただけあって、自己ブリード最大となる90mm。ただ、左右で大腮がズレていて、短い右側の方に合わせると88.8mmになります。
飼育品としては結構見応えのある個体です。しかし、2006年のBE-KUWA19号でホソアカの材飼育が紹介されて以降、2008年から毎年のように飼育ギネス(レコード)が更新されている状況でした。本個体が羽化した2012年には、飼育仲間だった京都のN氏が93.6mmで記録を更新していたので、このサイズは当時でもそこまで目を見張るものではなかったんですよね。
ちなみに、12年経った今となっては羽脱日など飼育記録は残っていなく、当時の写真も無いので参考になる情報が今回全く無いのが恥ずかしいですが致し方ありません。あくまで当時の流れを補完する為の記事です。この後、きちんと展足して乾燥室へ送りました・・・
これにて、「本当に」完結です。
出来る事ならまた良質の未カット材を手に入れて大型ホソアカの材飼育なんてしてみたいところですが、今はもうそんな材は青森に居ては買えないし、マットや菌床の質も上がって(原料は乏しくなってるみたいですが)材飼育の意義も薄れてきているようですから、もうあの頃と同じ事はしないんでしょうなぁ・・・
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