
おはようございます、会長です。
さて、今日は久し振りに飼育用品ネタです。
今からおよそ8年前、我が家で稼働していた2台ある冷やし虫家のうち1台が壊れました。その後、一時は「ペルチェ素子を交換して修理しようか」と思った時期もありましたが、分解を試みたら想定以上に面倒くさい作業である事が判り、諦めてずっと常温飼育棚として国産種を入れていました。
【分解を試みたら】 ⇒ 2017-2-23 『冷やし虫家 壊れました』 |
それ以降、自分の昆虫飼育の温度管理は
・自作簡易冷温庫 大サイズ 1台
・自作簡易冷温庫 中サイズ 1台
・冷やし虫家TF 1台
でやりくりしてきました。
そりゃァもう苦しいですよ。
自作簡易冷温庫は冬場の加熱はできるものの、夏場は毎日凍らせたペットボトル朝晩取り替えてますからね。それでやっとトータル半日程度25℃ちょっとまで下がるくらいですからね。実質年中恒温管理できるのは冷やし虫家1台と考えると、飼育しててもなかなか大変ですよ。
さらに、現在飼育中の虫には、ヘラクレスオオカブト、アンタエウスオオクワガタといった大型種が居て温室スペースも今まで以上に必要になっています。
・・・これ以上はもう限界だ・・・と云う事で、保温環境の改善にようやく再着手することにしたのです。
ただ、飼育スペースそのものを増やすのは現状無理があるので、死に体の冷やし虫家を蘇らせるしかない! と云う事になりました。
蘇らせるにしても、とうの昔に修理は諦めたので新品の購入に踏み切ります。
しかし、厳しい物価高に煽られ続けた冷やし虫家の価格は、一端の「白物家電」に引けを取らない高額商品になっていました。購入検討に入った今年春のタイミングで、それまで長期間欠品扱いだった冷やし虫家の再販が販売元のシーラケースからアナウンスされたのですが、同時に大幅値上げもされてしまったのです。
ただ、狙うのは価格6万円を超えてしまった「冷やし虫家HI」ではなく、廉価版の「冷やし虫家ライト」の方。出費のハードルが下がるのが一番の理由ではあるんですが、個人的に試したい事がありました。
さて、そうは考えたもののその後しばらくは購入に踏み切れず、アッと言う間に夏へ突入してしまいました。採集の誘惑や設置作業の面倒臭さで及び腰になっていたのですが、夏のボーナスが入ったタイミングで一念発起し いざ注文!
ところが、シーラケースのホームページを再度確認しようとすると
「サーバーエラー 404 ページが見つかりません」
ブックマークしていたホームページに何度アクセスしてもダメ、検索をかけてもヒットしなくなっています。価格・在庫状況の最終確認が出来ない・・・
冷やし虫家の取り扱いがあるショップのホームページを見ても、「HI」しかありません。えっ、もしかしてもう今期分の販売終了しちゃったとか? シーラケース倒産したとかじゃないよね!?
一度冷静になってBE-KUWAの広告を確認、アドレスを直入れしてメールで問い合わせてみると
「お問い合わせありがとうございます。」
と普通に返信が来ました。びっくりするじゃないですか遠藤さん。
無事に購入手続きを終えて「冷やし虫家ライト」が到着。
さて、ここから一捻りします。
通常は届いたものをそのまま組み立てるのですが、今回は組み立てません。届いた部材のうち、使うのは「冷暖ユニットの付いた側面パネル」のみです。
ここまで読んでピンときたアナタ、その通り! さっき書いた試したい事というのは、冷やし虫家の冷暖ユニット『だけ』を自作のスタイロフォーム簡易冷温庫に組み込めるか試したいと云う事だったのですよ。
肝心の自作簡易冷温庫についてですが、現在稼働中の「中」及び「大」ではなく、10年以上前に役目を終えて物置にしまいっぱなしにしてあった「小」があるのでこれを使います。さすがに「中」「大」は容積の問題で出力不足になってしまうでしょうし、置き物化した「冷やし虫家2008」に合わないのは買う前から解かりきっています。
何より、自作簡易温室「小」は元々初期の冷やし虫家を参考にスタイロフォーム1枚で切り出せるよう設計したものなので、寸法・容積もほとんど「冷やし虫家ライト」と同等なのです。
では、なぜ届いた箱体ではなくわざわざ自作の方に移植するのか? ですが、「ライト」の構造が個人的に好きではないからなんですよ。
「冷やし虫家ライト」と、自作簡易冷温庫「小」の構造上の違いとして、
・箱の接合 ⇒ 「ライト」は両面テープ、「小」はボンド(ウルトラ多用途 SU)
・ドアパネル ⇒ 「ライト」は嵌め込み式、「小」はシャッター式
届いた現物を実際に見て、やはりボンド接着した自分の温室の方が頑強だと感じました(「ライト」は届いた時点で最初から各部材に両面テープが貼ってあります)。
それにドアも、「ライト」の方はドアパネルと内窓の二重構造になっているのですが、内窓は寸法上の歪みもある上にちょっと貼り合わせも弱くて剥がれやすくなっていました。また、(大昔にブログでも書きましたが)この嵌め込み式ってのが大変煩わしく、自分が最初に作ったスタイロフォーム温室がそれだったのですが本当にあれはイライラしました。隙間テープが引っかかって捲れてしまわないようにドアの開け閉めもゆっくり慎重にする必要があり、何度も開け閉めすると隙間テープが摩擦でボロボロになります。スポンジが固めで耐久性のあるテープだと、押し込む時の反発が強くなって嵌め込むのが難しくなるんですよ。
あと、「ライト」の方はよく見るとちょっと板の断面が歪んでるので、やっぱり自作の方が良いかな~と。
準備してくれた遠藤さんには本当に申し訳ないんですが、「ライト」の箱はこのまま物置で眠ってもらいます・・・
月齢も悪く、台風の影響も連日続いていた8月15日。採集を一時的に休んでいるこのタイミングで作業に着手しました。
物置の奥でホコリを被っていた簡易冷温庫「小」を久しぶりに出してみます。
クモの巣、土埃を掃除機で吸い込みますが、スタイロフォーム表面の汚れを完全に取り去るのは流石に無理でしたね。
ひとまずこれで掃除完了。懐かしきかな、補強ゼロ・摩擦部はガムテープを貼っただけの、簡素ながら切断面・接合部がきれいで無駄のない外観!
中には使用当時に設置していた、サーモ直結の40ワットひよこ電球が入っていました。もう何もかもが懐かしい・・・
さて、ここからが悩みどころ。どうやって冷暖ユニットを移植するかです。
購入当初の予定としては、
① 「冷やし虫家ライト」側面パネルから「冷暖ユニット部のみ」を外し、それがピッタリ嵌まるように移植先の壁面を切り抜く
と云う事で考えていました。
早速、側面パネルのテープを剥がして冷暖ユニットを外してみたのですが
嵌め込む部分が2段に切り分けられていて、隙間テープを貼ったユニットをそこにギュウっと圧し込んで外側からテープで目張りして固定していたんですね。これと同じ切り抜き方をするのは、かなり面倒だと云う事が判りました。
また別の方法として、直に嵌め込むのをやめて温室の壁面を小さく切り出してユニットの縁部分が外側に出た状態で貼り付けてしまう事も考えました。しかしこれでは、ユニット自体そこそこ重いのと形状からして固定が難しく、落下事故が起こりそうなので諦めて元の側面パネルに嵌め戻しました。
そうなるともう残された手段は1つしかありません。
② 側面パネルごと自作温室に貼り付ける
シンプルですが、結局はこれが最適解でした。先にも書きましたが、この自作温室は初期の冷やし虫家を参考にしてスタイロフォーム1枚から切り出したものなので、パネル各面の寸法も似ているのです。シャッター式にした手前、若干のずれはありますが側面パネルはそれぞれ↓↓
・「ライト」:厚さ30mm 縦440mm 横440mm
・「小」 :厚さ30mm 縦450mm 横480mm
庫内側のクリアランスも奇跡的にセーフだったので、これでいく事にしました。
ちなみに「ライト」の側面パネルには、補強用の端材が内側に2本貼られているのですが、これは邪魔なので剥がしてしまいます。
貼り付けたユニットが後から自重でずれてしまわないように、パネルの貼り合わせは底面側を基準とし、これを基に自作冷温庫壁面を切り出す寸法を計測します。
四角く切り出すとして、
・下辺は、底から50mmの距離
・上辺は、底から392mmの距離
・右辺は、右端から50mmの距離
・左辺は、右辺から340mmの距離
となりました。
ではここから自作温室壁面を切り抜くのですが、
・・・うーん、もうだいぶ年月も経ったし公開しちゃおう↓↓
これまで自分はスタイロ温室を十数台作ってきたのですが、裁断する為の専用のカッターを使っていました。昔温室作成記事のコメントが来た時に答えた事もあったのですが、くわがたマガジン27号で遠藤さんが書いた記事を参考にして作りました。カットする厚さ分(3cm)カッターの刃を出した状態でL字アングル2本で挟み込み、金属用ボンドで貼り合わせたもの。これに1m長の直尺をあてがって真っ直ぐ引くと、とってもキレイに切断出来てしまうのです。
今は家のスペースの都合もあり、簡易温室を作る事もないので久しぶりの作業にドキドキ・・・ちょっとノスタルジックになりました。
内側を四角く切り抜くのはちょっとコツが要るのですが、上手くいきました。
ユニット付パネルを仮組みすると、見事ピッタリ! ・・・ですが結構ギリギリでした。
――と、その前にちょっともう一つ余計な事をしておきます。
元々我が家で稼働している「冷やし虫家TF」は、冷暖ユニットのパネルの反対側に温度を検知するセンサーが配置されてあるのですが、この「ライト(HI)」のパネルにはどこにもそんなセンサーが見当たらない事に気付きました。
そこで、ちょっとユニットの内側の構造を見てみる事にしました。
冷やし虫家の年式の変遷はよく知らないですけど、昔はヒートシンクにファンを重ねてましたよね。やっぱりそれだと壊れやすいのか、今は上下に並べて配置しています。ファンは排気ではなく吸気の役割になっていて、ファンで取り込んだ空気を下に送り、冷やしたor温めた空気を下から出す構造になっています。ただ、この構造だと庫内に風を送り出す量は少なくなりますね。
肝心のセンサーは、ファンとヒートシンクの間に固定されていました(矢印部分)。ただ、ここにセンサーがあると、カバーで覆われている事とヒートシンクの真上にある事により、ユニット内部の影響を強く受けてしまい庫内の温度ムラが大きくなってしまう様に思えました。実際そうだとしたら、庫内が満タン状態になった時にどうなるか想像に難くありません。
いよいよユニットパネル接着本番ですが、ここはあえてガムテープを使用します。
ボンドじゃないのか!? と思うところですが、これが作業の中で一番大事なポイントです。この製品を昔から知っている方や愛用されている方はよくご存知だと思いますが、まぁそれなりに壊れやすいんですよね。メーカー説明で『ファンが弱りやすい』と云う点もあるのですが、この機械の核であるペルチェ素子自体、そう永く寿命が持つものでもないです。製品の個体差によっては想定よりずっと早く壊れてしまう事もあり、「すぐ壊れた!」と嘆いている飼育者もネットでチラホラと見かけます。今回買った分については “MADE IN INDIA” と書いてあり根拠もなく安心しているのですが(CHI〇Aよりはずっとマシなのかな)、保証期間1年を過ぎたあたりで壊れたりして・・・
いずれにしても、近い将来壊れてしまう事を想定し、パネルの脱着ができるようにしなければいけません。ユニット単体で買えるかどうか未確認なので、一応また「ライト」新品購入で同じ作業を行なうと仮定してのガムテープ接着と云うワケなのです。
こうして無事に冷やし虫家移植は完了しました。
あとは庫内の補強。とりあえず、
①底に敷板(アルミ複合板)
②ぶつけやすい天板の縁部分にL字アングル
の2ヶ所の補強を施してひとまずの完成としました。
完成した温室を配置してみます。

壊れた「冷やし虫家2008」と比べると容積は小さくなりました。それでもまぁ、冷温庫2段重ねと云う事を考えるとあまり物を積み過ぎない方がいいですよね。
そして通電テスト。
電源を入れ、設定温度を20℃にして2時間後の様子。外気温27℃の中でも難なく設定温度を維持しているように見えます。ただ、やはり送風構造の所為か、庫内左側は1~2℃ほど高くなっています。庫内に別の送風機器を置くべきでしょうが、小さくて場所を取らないイイ感じの物を見つけないとな・・・
また、センサーも固定が済んでいないので、垂れ下がり庫内の下側を測っている状態です。もうちょっと高い位置で留めておく必要はありそうです。
あとは、画像の時点ではテキトーにコクワ等の成虫を暫定的に置いてますが、実際にマットや菌床の入った幼虫の瓶をギュウギュウに詰めてどういう温度分布になるか・・・ですね。
兎にも角にも、こうして再び冷やし虫家2台体制で管理できるようになりました。当面はアンタエウスあたりに占領される事になりそうですが、その内また低温種を増種したりレコード狙いでの飼育も出来たらいいなと思います。
秋になる前に作業を済ませられてよかった~・・・
それじゃぁ、また採集を再開することにしますわ!

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