2024年飼育増種 第6・7弾!【このまま終われるか!】

2024年の増種記事、これにて締め括りとなります。

最後の記事は、2つ一緒にまとめてしまいます。



思い入れのあるクワガタは数々ありますが、その中でもメイン飼育種として部屋の大部分を占めていた大型種がいました。

ギラファノコギリクワガタ
亜種ごとに独特の雰囲気をもっていて、一時期は複数の亜種を同時飼育していた事もありました。大型のクワガタなだけに飼育スペースもかなりの部分を占領され、エサ交換がパンク気味になる事はしばしばありました。

そんなギラファの飼育も、最後にはブリードもまともに出来ない少ない頭数で綱渡り状態になり、面白みも無いサイズの個体が羽化したのを最後にスゥっと終わってしまいました。

それなりに累代を続けられたものなら大体、飼育終了と共にそれなりに満足してしまうのが個人的な性分だと思っているのですが、本種については何故か空腹感が強いままでした。
つまり、まだ飼育し足りなかったんですよ。

流通も多い本種のこと。調べようとしなくても常にどこからか販売個体の情報が目に入ってきます。
そうなるともう「いつ欲望に負けて衝動的に買ってしまうか」油断ならない状態なワケです。

色々な亜種・産地がいて、現在ギラファノコを何も飼育していない自分にとっては何もかも魅力的に見えていましたが、その中でもまず気掛かりだったのは最後に飼育していたニシヤマ亜種
ほぼ年間を通じて入荷されていて、しかもウンザリするほど大量には入荷しないと云う絶妙なシズル感があるんですよ。
そんな甘い香りにしばしば引き寄せられては遠ざかってを繰り返していましたが、遂にギラファ欠乏症で発狂。ネットオークションに参戦してしまいました。

ニシヤマって昔よりちょっと需要高まってきているのでしょうか? オークションでは競争相手が何人もいて、4ケタ台後半くらい見積もっていれば終わると思ってたら渋沢栄一先生にまで出番が回ってきてしまいました。正直言ってどうかしてたと思う。


[入手個体について]
PB030804.JPG
ギラファノコギリ(ニシヤマ亜種) 中央スラウェシ州 パル/パロロ フェネマ山脈

生体は11月3日に到着。
(この3日後にチェンミヤマを買ってるとか、ホントにこの時の俺は財布の紐がユルユルでしたね…)

PB030806.JPG
♂とペアで写しても、どこの亜種かはまず判りませんね。
ケイスケが同時輸入されているタイミングだったら、手違いで混ざっても見破れないでしょうね。


さて、見た目は置いといて、肝心なのは状態。
わりと気合を入れて手に入れた生体でしたが、到着した個体はなかなかに古めの個体です。容器から出して動きを見てみると、関節がちょっとフニョフニョしていて弱弱しい。

PB030805.JPG
頭部を見ても、大腮の摩耗が激しくて左の先端は激しく擦り減っています。
体重もなんだか軽く、これまでのギラファ購入経験上あまり経験が無いくらいに心許ない個体です。


[飼育開始、そして…]
急いでセットを組み、親♀を投入しました。
使用マットは、今回の為にとっておいた月夜野きのこ園の産卵Matの残り。これに砂埋め霊芝材をカットして埋め込みました。
ゼリーと♀単体を入れ、温室へ。至って普通のノコギリ用セットです。


しかし、またいつかの日のデジャブが…

間もなくケースの底面に卵が見えてきたのですが、そのまま膨らむことなく溶けていきます。


その後対策として、♂をセット内に同居させることにしました。追い掛けしつつ産卵も始めてもらおうという狙いだったのですが…


答え合わせは12月14日
KIMG8728_2.JPG
ニシヤマギラファ2024、静かに終了しました。

ほとんど産卵痕は見られず、親♀も力尽きていました。辛くも、1個だけ新しめの卵が見つかりましたが、孵化するのかは期待が持てません。

喪失感とともに、ギラファ欠乏症が再発する事になりました。





さて、その日の晩
失意の中でネットオークションにかじり付いていました。
数日前からマークしていたクワガタ生体を精神安定剤よろしく落札しようと云うワケです。

入札合戦を制し(?)無事落札! 今回は、前回ほど激しい入札争いは無かったものの、前回より渋沢先生の人数が増えてます。12月も半ばになって、まだこんな買い物をする事になるとはね…

外産生体の輸送で死着リスクが高い時期になってしまっているので、郵便局留めで安全に生体を受け取る事に。
KIMG8762.JPG
到着は12月16日。見ての通り、青森市は雪に覆われた街と化しています。


[入手個体について 2]
さて、その虫の正体は、もちろん

PC160931.JPG
ギラファ、おかわり!!!!

ただし、おかわりしたこちらはニシヤマではありません。
今回の生体は、2年前に生体が入るようになった産地で、当時から気になっていたものです。それから毎年シーズン入荷しているのですが、じわじわとペア価格が下がってきたので清水の舞台…いや、城ヶ倉の橋の上から飛び降りるつもりで落札したのです。(飛び降りたのは何人かの渋沢先生なんですけどね)


PC160941.JPG
ギラファノコギリ(マキタ亜種) ルソン島 カマリネス・スルー州

久しぶりにマキタです。(もしかしてニシカワいったかと思いましたか? すみません…最近ブリード品が結構出回ってますし自分もやってみたい気持ちはあるんですけど、ギラファを同時に2亜種ってのは今の自分では持て余しますんで、どうしてもやりたい方を優先してこっちにしました)
自分がギラファで特に見た目で気に入ってるのはこのマキタニルギリエンシスなんですが、最近またニルギリは流通するようになった事に感心はするのですがとにかく疲れる! ♂♀の羽化ズレを調整するのも大変だし、羽化した後に寝やがるので起きズレでも振り回されるので、今のところはやる気になりません。マキタも同じギラファなので大変なところはあるのですが、「野外品が入ってくる」と云う点で財布を出す気にさせられちゃうのですよ。

主要な産地だったミンドロ島の虫の入荷がいつの間にか無くなり、元々少なかったルソン島産の希少性にかなりの付加価値がついているような状況です。前回のミンドロ島産は当時4ケタ円で買いましたから、今回の金額はギャップが大きくてショックでしたもん。
それでも、やはり価格認識はアップグレードしていかないといけませんね。色々迷っている内に何度か購入機会を逃したりもしましたし。「あの頃@@円で買えてた虫にこんな金額出すのもアホらしい。」なんて事をずっと言ってても昔には戻りませんからね(逆に、進み続ければ安くなる可能性もあるのがこの世界の不条理ですけども)

「価格が下がってきた」とは云うものの、まだ安易に購入に踏み切るのも躊躇われる金額帯で、特に今年の秋以降生体その他でハイテンポな出費がかさんでいたので本当にギリギリでの購入決断でした。
フィリピン産ギラファの発生が10月頃から冬にかけてなので、これを逃すとまた次のシーズンまでお預けになるとこだったんですよ。元々入荷数が「入ってくるかも分からない」くらい極少数な上、この後真冬にもし入荷があっても青森の自分は購入リスクが高すぎる。雪解け時期に入荷したとしても多分古くなった個体である可能性が高い。旬は逃すな、ですね。…いやぁ、ほんとに永く感じました。


このカマリネス・スルー(南カマリネス)、2年前から入るようになったと云う話ですが、以前まで入ってきたルソン島の北部のもの(ヌエバビスカヤ州、マウンテン州等)とはエリア/山塊が大きく離れた、南東部の側に位置しているんですね。10年以上前にちょいちょいヒラタの入荷が見られたブルーダンとか、ノズノコギリみたいな変わり種で知られた地域です。この地域だとラテラリスノコギリもアダチじゃなくて、カタンドゥアネス島亜種のミリーンと同じ特徴をしているのは面白いですしね。
で、最初この地域のマキタが入ってきたのを知った時には
「北部と違って森林規模も狭そうだし、ちょっと小型の個体群なんじゃない?」
とか穿った見方をしていたんですが、後々聞いた話によるとちゃんとしっかりドデカい個体が採れているとの事で、かつて飼育していたミンドロ島産と飼育の手応えがどれくらい違うのか興味が高まってきたんですよ。


ついでに言うと、今年はダイスケも大豊漁だったようで国内に複数ペアが例年になく安価で(それでもゴニョゴニョ万円だけど)出回ってましたけど、個人的にはまず何よりもマキタの方を優先したかったので見送ってしまいました(多分、後年になって「あ~あの安い時に買っておけばよかった…」とか後悔するかもしれないけど)


[飼育開始から現在まで]
最近はマット産みの虫でしくじりまくっているので、当初のポリシーに反して遂に高級な産卵マットを調達することにしました。

ただ、ちょっと発注のタイミングが遅れてしまったので、マットの到着⇒準備が整うまでの間、飼育部屋の中で放置していた「ケース入り状態の産卵Matをそのまま使う事にしました。そうです、前回までの記事でちょいちょい登場していた月夜野きのこ園製のあのマットですよ。トラグルスの産卵の “おかわり用” として詰めて待機させていたまま遂に使うことなく放置されていたものでした。
無加温の部屋に放置していて冷え冷えだったのを前もって温室に入れて環境調整しておき、生体が到着してそのまますぐセット入りしてもらいました。


その後しばらくの間は、潜ったままケース内は沈黙したままでしたが、
KIMG8781.JPG
2週間近く経ったところでようやく卵を発見!
ニシヤマでの心労を思い返すと、たかがギラファの産卵と言えど大声でも出して喜びたいくらい嬉しいですよ。


ちなみに、発注してた産卵用マットなんですが。もうとっくに到着してるんですがセットどころかダンボールの箱すらまだ開けてません……



全ての在庫 15種類


以上が、2024年の飼育増種の全てです。

この記事へのコメント