最後の王様 ―2012―

6月4日、虫の日です。
虫界隈では何かと盛り上がる要素の多い日ですがこちらは異状ありません。
いつものように仕事をこなし、特売イベントに目もくれず増種もしていません。

何か新しいものに手を伸ばす前に、溜め込んでいて消化しなければいけない事が多すぎるのです。幼虫のエサ交換は遅れ、採った虫の展足・脱脂は滞り、標本箱内で繁殖するカビの始末も後手後手・・・
モタモタしているとアッと言う間に採集シーズン。来週にはコクワ採集がスタートしているはずです。

とにかく「消化すべき作業」は数限りなくあるのですが、
今日はブログで1つ片付けておこうと思い記事を書いています。




さて今回は、久し振りにエラフスホソアカの記事。

このブログをはじめた2009年には登場していました。当時はトルンカートゥスと分離される前で、通販で「エラフス」を買っても「本物のエラフス」を入手するのはなかなか難しかったんですよね(特に♀が!)
トルンカートゥスが記載され、エラフスの特徴が公に認知されるようになると一気にペア売り価格が上昇し、♂と比べて入荷数が少ない♀は単品売りするようになった業者も出てきました。またある時はドッと入荷数が減り、「安くはない」程度だったのが「高額種」扱いになった年もありました。


自分は当時ホソアカに夢中(と言うかクワガタ全般やりたいだけ増種していました)で、多数の同属メジャー種と一緒に本種も熱心に観察・飼育していました。ファーブルハウスの鈴木店長も同時期にホソアカ熱が高まっていたので、ブリード方法や幼虫の育て方など、談論風発で楽しんで飼育していたのはいい思い出です。

そんなエラフスホソアカの飼育ですが、
実はちゃんと記事が片付いていませんでした。

遡ること実に12年前
材飼育個体が美しく羽化した事を報告しました。






 【遡ること実に12年前】

   ⇒ 2012-5-10 王様へのステップ?


この記事、当時自己最大の85mm♂を紹介して完結したのですが、その後に意味あり気なGIFアニメを残して記事を締め括っていました。
今見返してみると、あれで「おしまい!」と言うのはお粗末極まりないですね。

記事を読むと分かる(と思う)のですが、
実はあと1頭だけ幼虫が残っているよ! ってオチで、どういう心境だったかは忘れましたが多分「もう♀もいないから」と云う理由か何かで後続記事を書くモチベーションが保てなかったんだと思います。




その最後の1頭ですが、実はきちんと羽化していました。
そして、死んだ後もそれなりの形を保った状態で部屋の一画に放置していたんですよね。ちょっとだけ虫害には遭っているのですが、大事な思い出がそのまま朽ちて粉々になってしまうのは勿体ないと思い直しまして、一念発起「きちんと標本として遺す」ことに決めました。


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最後に出てきただけあって、自己ブリード最大となる90mm。ただ、左右で大腮がズレていて、短い右側の方に合わせると88.8mmになります。
飼育品としては結構見応えのある個体です。しかし、2006年のBE-KUWA19号でホソアカの材飼育が紹介されて以降、2008年から毎年のように飼育ギネス(レコード)が更新されている状況でした。本個体が羽化した2012年には、飼育仲間だった京都のN氏が93.6mmで記録を更新していたので、このサイズは当時でもそこまで目を見張るものではなかったんですよね。

ちなみに、12年経った今となっては羽脱日など飼育記録は残っていなく、当時の写真も無いので参考になる情報が今回全く無いのが恥ずかしいですが致し方ありません。あくまで当時の流れを補完する為の記事です。この後、きちんと展足して乾燥室へ送りました・・・

これにて、「本当に」完結です。

KIMG7528.JPG
出来る事ならまた良質の未カット材を手に入れて大型ホソアカの材飼育なんてしてみたいところですが、今はもうそんな材は青森に居ては買えないし、マットや菌床の質も上がって(原料は乏しくなってるみたいですが)材飼育の意義も薄れてきているようですから、もうあの頃と同じ事はしないんでしょうなぁ・・・

王様へのステップ?

つい一昨日の事……

いつものように低温庫の様子を確認していた時、何か変なゴソゴソとした音が
どこからか聞こえてきた。

よく耳をすませて注意していた時、

不自然なものを見つけた。

















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エラフスホソアカを材飼育中のボックスなのだが、
どうも配置している材の外観が変わっているように感じるのだ…

「材がなんだか崩れていない…か…??」



気になったので久しぶりにそのボックスを取り出し、フタを開けてみた。




するとそこには、




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あ・・・ごめんっ。
(↑↑何がじゃボケ)





遂に出てきおったか……!!!!!!



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エサ交換時の幼虫の大きさから、「大」「中」に呼び分けた2頭の幼虫を1本ずつ材に入れ、それを1つのボックスに入れて管理していたのですが、
(なお、このエサ交換時の様子に関しては、⇒去年11月14日の記事を参照)
今回羽化したのはこの2頭の内、小さい【中】の方。

2010年の7~8月に初令幼虫を割り出して材飼育に移行したので、
自力脱出までは21~22ヶ月かかっている事になります。

前回交換した時、体重(おそらく最大体重と見ても問題なさそうです)13.7g

この体重から羽化したサイズは一体どうなるのか?

測ってみると…





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85mm
最近だとちらほら聞くサイズですね(汗)


逆にようやくこのサイズまで来たと云う事になりますかね、
それまではこれより小さな個体ばかりでしたからね。


するってぇと、アレかい!?

1頭目が60mm(材飼育)

2頭目が72mm(マット飼育)

3頭目(今回)が85mm(材飼育)


12~13mm刻みで大きくなっていってる…
と云うことは次に出てくる【大】の♂のサイズは…


97mm!!?!?!?
親超え……
(親♂は94~95mm)

などと云う期待をしてしまうんだよな…

黒くなって見つかると云う四段落ちじゃなければいいんだが…



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材から自力脱出させただけあって脚の力が強くて安心します。
ホソアカって羽化後に下手な管理すると、足腰弱いままで重い頭部を支えられなくなりますからね(ウチではね…)

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見栄えがいいので観賞用にちょっと広めのケースに入れてみました。
デジケースは全面クリアで清潔感がありますわ。
プラケースにしてはディスプレイにも向いてると思えます。

さて、ブリはするかな…?
最後の♂に全てを掛けるか…?

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手間の掛かるエサ交換

エラフスの材飼育を開始したのは2010年の12月でした。

それ以降たまに中の様子を見てみるなどして
当初6頭居た♂幼虫が今では2頭に減ってしまっています。

3令で投入したにもかかわらず投入口から出てきて頑なに潜らず
やむなく途中で幼虫を交代させたり、
不定期で行った加水時のチェックで明らかに材の重みが変わっておらず
まさかと思って割ってみると、案の定食わずに頭を残して溶けていたり
結構食痕を広げて順調に成長していたにもかかわらず途中で萎んでいたり。
そして1頭だけ早期に小さく羽化したり…(60mm)。



そろそろ材投入から1年が経とうとしています
チェックしていて材も食い尽くされていることが分かっていたので
本日2頭の幼虫のエサ交換を行いました。


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生存チェックの時に材を割ってしまっているのでちょっと減ってます(苦笑)

まずは↑↑の画像で掴んでいる方の材を割ってみます。
2011 11 14_2418.JPG
この通りほとんど食い尽くされています。
見てお分かりかも知れませんが1年近く経ってからの材交換は少々遅く
BE‐KUWA19号&38号で指摘されている通りもっと早い交換が必要です。
ただ19号でも38号でも、使用している材は14cmカットの材です、
ウチの場合はその2倍の28cm飼育ですが非常に肉質が柔らかい夏菌材なので
14cmカット材と比べても食いあげるスピードは±ゼロなのでしょう。

とすると、砂埋め霊芝材などで飼育した場合はさらに交換ペースが早くなり
結果的に交換によるストレスなどで、よほど工夫した交換法でもない限り
負担なく幼虫を育てるのは難しいのではないかと考えてしまうのですが…


201120112014_2420-e7f.jpg
です。
この芯が、今まで幼虫が周りの木肉を全て平らげてきたことを激しく物語っています、
これだけがポキッと折れてきました。


さて、材交換ですが
今まで散々拒食で死んできた経験がありますから、
ここで下手に材を全部割って新しい材に投入するとえらいコトになりかねないので
全交換はせず、これまでの材から新しい材に自分で移ってもらうように工作しました。

まず、材飼育の容器ですが、
現在使っている2頭分の材を入れる長辺29cmのケースはそのまま継続使用。

材の入れ方は、新しい材を20cmにして入れ、
これまでの材を9cmにカットし、その中に幼虫が居る状態で
新しい材に直列につなげて置きます。
全く面倒くさい。


幼虫に対するストレス軽減を考え、材から幼虫を出さずに
材を9cmにカットするのが非常に危険なことは想像に難くないでしょう。
位置を間違えたり幼虫が動き出してしまうと真っ二つですからね(恐)

ストレス軽減で中に幼虫を残したまま材をギコギコやられたら
かえって幼虫のストレスになってそうですね(汗)本末転倒だなァ

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カット後です。この幼虫は期待出来るかも知れない大きさに感じられたので出しませんが、一応尺をあてて撮ってみました。
全然大きさが分かりませんね。


材のセットが完了し、
次はもう1頭の幼虫の材を割ってみました。
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1頭目と比べると小さいようです。なんか期待できなそう…

と云う事で、別にいいかと思い材は割らずに幼虫を引きづり出してみました。

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脂肪ものってちょっと黄色みも掛かってきているのでこれ以上育ちそうにないですね。
貴重な材飼育のサンプリングのために体重を計ってみました。


2011 11 14_2423.JPG
悲しくなってくる数値ですね…
どこかのサイトでは、このくらいの体重で羽化したのは70mm台前半だったので
これもその程度に終わりそうです。
ただ、その個体はマット飼育でのサイズなので材だとどう違いが現れるのか見物です。


2011 11 14_2424.JPG
交換後の状態です。

さあ、幼虫の見てくれからするとこれからあと1年以内で羽化するのは確実です。
一番避けてほしいのは、新しい材に潜った直後に蛹化する事ですね。

木の中から第1号

先日の事です。


いつものように温室内に変わった事がないか様子を見ていた時の事です。

低温室のルリやらオオクワやらを弄っている最中…(「最中」と書いて「もなか」と読む)




とあるケースの中にふと目をやると…



ォッッ!!!!!!



2011 08 18_2007.JPG
ぅわぁっ、ナンかおるぅ





一瞬ゾクッとしました(笑)

そうです。
出てきていたのです。

erafusukai.jpg
材飼育のエラフスが!!!!!

ちっっ・・・






ちぃっっっさっっ





これ60mmですよ。

材に入れたのが去年の12月初めなので
たったの8ヶ月で出てきちゃった事になるんですよね。

材飼育以前から数えると、
羽化まではたったの1年しかなかったという計算。
こりゃデカイわけないな(汗)


2011 08 18_2008.JPG
脱出孔もこんな小さな…


erafusuzaikai.jpg
抜け出た材を割ってみると食痕はこの通り。

抜け出た後の材は非常に軽くなっており
掴んで持ち上げるだけで崩れてしまうほど軟弱でスカスカになっていました。



もしかすると幼虫は、
材中の水分やその他諸々の要因による不朽の速度に自身の成長スピードを合わせている
と云う考えもアリと言えるかもしれません。

そう考えると、
この夏菌材で水ヒタヒタはやはりNGだったか…


しかし、そうは言っても
カップの♀が数頭羽化して動き出しているので
このタイミングで♂が出てきたのは助かりましたかねぇ(苦笑)

なんか生えとる!!!!!!

ようやく最近の記事書けるようになりましたわ…
前回までは先月溜まってしまっていた内容なものでして。

さて、今年もようやくエラフスホソアカWILDが出回り始めましたねぇ~
100mmオーバーの♂なんかも出て来たり、
去年はこの時期だったらとっくに大量出品されてしまった♀も
今年ようやく少数個体が出始め、これからさらに多くの個体が入荷するようです。

さて、
エラフスと言えば飼育者にとって困るのが羽化ズレ
特に今の時期、♀は羽化してるけど♂がまだまだまだまだ幼虫してると云う方にとっては
WILD♂の入手には神経を使うとも言えます。
(まぁそれ以前に少数♂をブリード用に早期小型羽化させる対策を講じているとは思いますが)

我が家のエラフス達は、3つある簡易冷温室の中の第2号室にて管理しているのですが
容器の置き場所の関係で滅多に様子を見ていなかったので
「もしかしたら♀だけ先に羽化しちゃってるかも知れない!!
 WILD♂を仕入れる必要があるかどうかきちんと見てみるかな。」
と云うワケで久しぶりにエラフスのカップ、材を見てみる事にしました。


現在管理しているのが前に紹介した材での個体群と、
未だ200cc・120ccカップで管理してる発酵マットでの個体群ですが、

マットの管理個体の方は
もう確実に羽化までとは言わないけど蛹室を作ってる♀が居るだろコレ。
と心配しながら見て回ったのですが、



まぁ、フツーに全員白い幼虫でした。



ホッとした反面、ちょっとガッカリした。
と云うかそれより、本当はコイツらエサ交換しなきゃいけないんですけどねぇ。




さてそれは置いといて。
次は、コバエのコバエによるコバエのための飼育部屋と化している、
材飼育ケースの様子を見てみる事にしました。

ケースの中を覗いてみると、
コバエは実際それほど出てきてはいませんでしたが、
新鮮な材(過去形)に付いてきていた〇〇〇〇〇…ガやら◇◇◇◇…ゴミムシみたいな
雑虫がチラホラと出てきていました。なんかもう怖いよママ!!



そしてさらに続けて変な物を見てしまいました。




  なんか生えとる!!!!!!????




オイオイなんじゃコレは!?!?!?
とケースを持ち上げ屋外に出てケースのフタを開けてみて見たものは!!!!













椎茸。.JPG


しいたけだった。


しかも茎が細くて怖いんだけど。

とは言え産卵木販売元の説明の、
「まだキノコが獲れる」と云う説明は本当だったんですね~

(今シイタケもまた問題が有るだの無いだの大変な時期ですね)



さて、材飼育中の個体はほとんど♂ですが、1頭だけ♀も投入しておりました。

ちょっとそろそろ割り出してみようかなと、
期待感を抱きつつ、手で崩せるほど軟らかい上質な材を割ってみると……





2011 04 13_1765.JPG
コイツもまだかい。


一応(画像では分からないけど)ちょっと黄色くなり始めているので
2ヶ月以内には次のステージに進みそうかとは思いますが…


♂を入れている材を見てみると、
6本中2本が死亡を確認しました。
1頭は材を頑なに拒否したのか投入穴を広げて外に出てしまい
下に落ちて溺死(下には水を薄くひいている状態でした)
もう1頭は投入穴の中で死亡、因みに椎茸が生えていた材の個体でした。


また、ケース内が非常に汚くなっていたのでケースと材を両方丸洗いする事にしました。
(オイオイ幼虫入ってるのに大丈夫かい!?)

水やっぱ入れなくていいですね…、
腐ると幼虫の死亡原因にもなるし。


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↑↑洗浄後のケース&材。

ビフォーはあまりにも汚いのでお見せできません(怖)
水が汚れて腐臭が漂い、ゼリー状の何かが材と水の境界部分に出来ていました。
トビムシも沸いてましたし…
元々栄養が豊富な材だったワケですから汚れ易いですよねそりゃ。

死亡していた2本の材には、
先ほど材を割ってしまった♀と、カップから♂を1頭交代させる事にしました。


第2冷温室.JPG
これが第2冷温室内の様子
16~18℃設定のため管理種は↑↑の3種類だけです。
と云うか今まで配置が違ったのでそれ以上は入らなかったんですけどもね…
配置変えた↑↑のでまだちょっと入れられそうです。





あぁぁぁぁぁ~~………早くルリ採りに行きたい。ツヤハダ採りに行きたい。
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