我が家のオオクワガタ 2025年

18日、青森でも遂に平野部で雪が積もってしまいました。
青森平野と津軽平野を結ぶ空港付近の道路でも数多の自動車が路肩に突き刺さっていたようで、これも毎年恒例の景色ですね。

カブクワ業界では、ここ最近で言うと珍しい産地の虫が相次いで国内に輸入され話題になっています。
まず、久々のメキシコ便新大陸産輸入の大手によるものですが、ヒルスシロカブト、エレファスゾウカブト、オキシデンタリスゾウカブトと云うラインナップは、「これがワイルドで入ったとな!?」と目を丸くするには十分な面子ですよ。
ただし国内流通産地とは別なので、今後累代品が出回る時に出所が区別できる反面、流通個体と掛けてCBを作るのは厳しい(憚られる)ところです。将来的に永く飼育され続けることを祈りたいですね。
自分は…ウ~ン…Megasomaとかも大好きだしラン〇ージャックの入荷POP画像もシズル感たっぷりで欲しくはなるんですが、飼育スペースが崩壊する事も目に見えてるし、何より最近はリッキーの飼育でもうヘトヘトになっちゃったので、暫らくは大型カブトに手を出したくないかなぁ…。

そして、それ以上に弩級のニュースだったのが、もう入荷が絶望的と誰しも思っていたであろう南インド便です。台湾の人が持って帰ってきたもの(?)を宮崎のショップが国内まで引き込んだようで、ブルマイスターツヤクワガタとニルギリエンシスギラファノコギリクワガタが入りました。
インドの虫と言えば今はアルナーチャル・プラディッシュからの入荷がメインでごくたまにウエストベンガル州付近も来たりしますが、全てヒマラヤ系のエリア。南インドは2000年代までは入荷がありましたが、最後にワイルドが入荷した記憶が残っているのは自分がパソコンを触るようになって間もない2010年頃だったはず。たしかその時1ペアくらいのニルギリエンシスがラン〇ージャックのホームページに出ていて、価格はペア28,000円くらいでした。
今回、SNSで入荷のニュースをいち早く見つけ教えてくれたNo.7と2人で、販売前の時点から「共同購入するならいくらまで見積もりましょうか」等とにわかに盛り上がったりもしたのですが、ネットオークションにいざ出品されたギラファの価格を見たら横転しました。そりゃそうか、30万オーバーじゃ高嶺の花ですわ…。こんな季節ですし、国内マニアの視線を一身に受けるような虫を青森まで送ってもらうのは誰も望みませんからね…勇んで身を引かせてもらいますよ。





さて、青森の採集シーズンも終了間際となったこの時期。

今年も残すところ1ヶ月とちょっとと云うところですが、ブログ的にはかなり追い詰められている状況です。

…と言うのも、
今年の飼育記事はほぼノータッチだったからです!

去年からの羽化個体まとめ記事は勿論、実はちょこちょこと増種や補強で新生体も入れていて、これらを今から年内にまとめるとなれば、正直言って週1回ペースで更新しても間に合いましぇん!
余計なおしゃべりや考察を省いて、淡々と記述していけばあるいは間に合うのか…?

そんなワケで、ここから年内に間に合わせる為なるべく手短かに記事を上げていくようにしていきます。あぁ~、あと今年分の報文もまとめないといけねぇんだよなーー(今まで怠けてたからやろがい!)





…と、云う事でまずは我が家のオオクワガタ・2025年まとめ記事です。

採集での新規開拓・希少産地挑戦は全敗で、既産地へも2回ほど行きましたがいずれも採集個体は無し。

そんなワケで飼育産地も増えず減らずで、現在のところ(一応)3産地
・十和田市 産地A
・十和田市 産地B
・市町村α

以下、産地別の動向です。

その1 十和田市 産地A
▼前回の記事(2024年)を振り返って
2022年に採れた僅かな幼虫が全滅寸前にまで追い込まれ、ギリギリ1頭だけ生き残った♀個体が羽化しました。

▼今年の動き
全く変化ナシ。エサやりもそこそこに、ずっとスタックケース(エスサイズ)の中で飼い続けています。

個人的にここの産地は、採集の思い入れとか、産地ラベルが気に入ってるだとかはまるで無く、飼育のモチベーションも維持できていないのが本音です。採集するにしても、場所取りとかも面倒な所だし、採ったとてそこまで嬉しいラベルじゃないので絶えても問題はありません。
ただ、「青森産に興味を持ってくれる他県の知人に “配る” のには最も都合がいい」産地なので、絶やすのもちょっと勿体ないという…
う~ん……悩ましい…


その2 十和田市 産地B
▼前回の記事(2024年)を振り返って
2022年に採れた4頭の幼虫のうち、絶滅寸前でなんとかギリギリ1頭の♂が羽化。自己最大の75mmにニンマリ。
また、この年も追加でセットを組んでいたのですが、セットから採れたのはなんと1頭。ブリード個体はこの2頭だけで、全ッ然!増えません。

なお、採集ではライトトラップにて♀を2頭確保し、WILDは合計で3頭がいる状況でした。

▼今年の動き
採集シーズンが本格化する前に産卵セットを組みました。
本当は直ぐに産み始めてくれればいいんですが、経験上は一冬寝かせた個体を春に組んでも、盛夏まで産卵行動に移らないんですよねぇ。

2025年5月28日 2024年♀42mmセット↓↓
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2024年に採った個体は一旦寝かせていたので、今回が初セットになります。
セット内容は、コバシャ(小サイズ)にクヌギのホダ木を全埋めにしたもの。温室管理で22℃以上です(スタイロ温室+ペットボトル氷なので、盛夏は冷却にムラが出ました)

2025年5月28日同日 2024年♀45mmセット↓↓
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こっちの個体は45mmとデカいものの、頭部の擦れ欠けが激しく蔵卵数に不安があります。特に、大腮が派手に欠けているので、産卵木を齧れるか心配な部分がありました。
そこで手持ちの材のストックの中から、サイズがイマイチながらも齧り易い肉質の材を2本選定しました。また、セット中にもじわじわ柔らかくなっていくように、発酵マットで全埋めにしてみました。
こちらも、スタイロ温室で管理していきます。

2025年6月27日 2022年♀37mmセット↓↓
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そして3個目のセットの本個体。採ってから3年近くも経っているので、産卵に堪えるのか正直望みが薄いんですが頑張ってもらいます。
セットは、Beケース(中サイズ)にハーフカットした砂埋め霊芝材を半埋め。温度は常温です(!?)

こうして2025年は3セットで幼虫確保に挑みました。←ちなみに全産地通して今年組んだのが3セットです。中堅以上のオオクワブリーダーから見れば「たった3セットぉ~?」と思うでしょうが、自身としてはオオクワで3セット組んだのは初経験です多分

これだけ組めば、今年の秋は幼虫だらけで大変なことになるなぁ~

……↑↑そうです。この時はそんな事を考えてしまっていたのです。紛れもなく、この慢心はフラグ以外の何物でもありませんでした……



さて、話は変わって去年採れた幼虫の話です。

割り出した後、幼虫は200ccの菌床カップに移しました。
割り出し時点で既に2令後期だったのでカップに入れるのはマズいんですが、手持ちの在庫が無くて苦し紛れの投入だったんですよね。そして、その後も作業をサボりカップがボロボロになるまで放置をかましてしまい…半年が経ってしまったんです。

そして実質最後となるエサ交換。この時点で頭幅・体格を見て♀だと思っていたのに、7月に見たら蛹の頭にデカいアゴが付いてました。 なんでや!? いくら菌床だからって虫にまでキノコ生やすなやぁぁ!!
8月に羽化、その後10月になって羽脱してきましたのでお披露目としときましょう↓↓


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2024年11月10日 割り出し 2令後期 KBファーム製KBブナ菌床200ccカップへ
2025年6月17日 3令後期(でまだ♀だと思ってたという…) フォーテック製G500クリアボトル(自詰め)
2025年7月 蛹化
2025年8月9日 羽化確認
2025年10月 羽脱 51mm

手違いに手違いを重ねた結果です。これを見て懐かしさすら覚えます。と言うか、高校生の頃から変わってない。
体型は、写真だとちょっと細身に見えます。ワイルドっぽさはどこか感じられません。

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これを見て何か思う事があるとするなら、…ちょっとグランディス飼ってみたくなってきた…



さて、季節も進み山の葉も紅く染まった頃。
奥尻ヒメオオ採集の記事もまとめ終わり、溜まった飼育作業のあれこれに次々着手しました。
オオクワの割り出しも同様で、セットから4~5ヶ月経過しています。作業は10月19日この日3セット全てを暴きました。

材も「ボロボロ」とまではいきませんが、期待できそうな様子。
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この材は、2024年採集の42mmのセットのもの。あとやっぱり、齧り始めたのは盛夏に入ってからでしたね。

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キャ―――!! やったぜ!!

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ちゃんと幼虫いたよ!!

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結果:2令×4頭

思ったよりずっと少なかったですが、それでもまぁ採れたには採れたので嬉しいものです。何しろ、産卵セット暴いて幼虫採った事自体が久しぶりでしたからね。
ただ、一つかなり不可解な事に、材の中外にはあと3~4頭ほど2令幼虫がいたんですが何故か原因不明の圧死を起こしていました。他の個体や親と接触した形跡も無く、気味が悪かったんですがこれは何だったのか…?


そして…続く2セット目3セット目は……、

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ゼロ、そしてゼロ

オオクワWILD3頭組んで、採れた幼虫が合計で4頭だったんですよ!
酷いもんですよねぇ…この4って数、この数年ずっと繰り返してますよ。呪われてるんじゃないですかね。
4頭採れたセットの作業は楽しくて1時間半くらいの体感でしたけど、採れなかったセットは体感5分で終わりましたよねぇ。
それに加えて2022年の♀に至っては、齧った痕は見られましたがやはり限界を感じてなりません。


ちなみにその後この4頭については、
今回自己飼育に回さずに、予てから譲渡の約束をしていた神奈川のH氏の元へ送りこみました。
自分は来年もう一度再チャレンジですわ。’24年組でまた頑張ってもらいましょう。


その3 市町村α
▼前回の記事(2024年)を振り返って
運よくそれなりの数のWF1幼虫を抱える事ができ、エサへの適応もなかなかで多数羽化。最大は♂72mmで、♀は44mmほど。

▼今年の動き
実は今年のうち、一番しくじってしまったのがこの産地でした。

今年のうちはまだセットを組まなくても大丈夫だろ~と油断して、国産種と云う事もあって成虫を入れたケースを飼育室内外のあちこちの隙間に追いやってテキトー管理をかましていたんですね。
そんな事をしているもんだから、現状の管理個体の把握とかも出来ていなかったワケです。
それで、普段は疎らにやっている成虫ケースのゼリー交換を、秋のとある日に一斉にしてみたところ…気付いたんです。♀が絶えかけている事に。
♂にばかり気がいってて♀の方に注意してなかったのです。慌てて♀の在庫を調べてみると、もはや健康な個体は居らず、
動きが鈍くなっている1頭
フ節が切れまくっている1頭
2頭しか残っていなかったのです。

ヤバーい!!!! と焦って秋にペアリングを試みるも、「動きの鈍い方」はペアリング中に死亡、「最後の1頭・フ節切れの方」とペアリングする頃には産卵時期が終了…と云う崖っぷちの事態に “いつの間にか” なっていた…と云う恥ずかしい話。


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この市町村αは十和田ほど簡単には採れない産地なだけに、「また♀を採りに行かなくちゃ」などと云う事態は避けたいところ。
来年まで、遥か遠し……



'23~'24年羽化報告 青森県産オオクワガタWF1

いつかはその時が来るのではないかと懼れていましたが、
遂に来てしまいました。

先日、SSブログ運営事務局より「SSブログサービス終了のお知らせ」が発表されました。2025年3月31日を以ってブログの編集・閲覧が出来なくなるとの事。

まぁ、仕方がないですよね。お金になりにくいし利用者激減してますもん。サービス終了後のブログ運営者達の受け皿として、別のブログサーバーへの移行もフォローしてもらえるので、ひとまずブログ消滅の事態は避けられそうですが・・・不安だなァ。それなりに管理の仕方も慣れて、ブログページを色々イジって遊べたりと便利だったんですが、移行先で同等の編集が可能かと考えると・・・厳しいかも。
(そこまでいったらいっその事ブログやめようか? とはならないのは良い事なのか悪い事なのか・・・)





さて、今日の本題。
前回がオオクワの採集ネタだから、じゃァ次は飼育ネタで! と云う事で、ちょうど2年前を最後にご無沙汰だった我が家のオオクワ飼育事情をまとめておきます。



その1 市町村α
▼前回の記事を振り返って
2021年に採った親♀を1年寝かせ、翌2022年に採れた幼虫は19頭。個人的にはこれでも「多い」と思う数でしたが、
・秘匿産地の為、場所を知っている採集仲間にしか配らない
・その採集仲間は皆、他人の飼育品に興味が無い
・つまり、誰も欲しがらない
↑↑と云う事で行き場も無く、全頭自分で抱えました。

クワガタのブリードにおいて、個人的に最高潮を迎える瞬間って〈割り出し〉の時なんですね(2番目が〈初飼育種の羽化〉とかだと思ってます)。小さな幼虫を見つけ、製氷皿に幼虫を取り分けて、カップやボトルに移す。ここから、やる気と言うかモチベーションは下がる一方で(嫌とかじゃないですからね)、エサ交換のやる気が湧きにくいまま、最悪「放置」してしまって羽化した成虫がパッとしないという流れ。このブログでは何度も前例を積み重ねています。


▼羽化報告
それから間もなく、厳しい冬の期間へ突入しました。
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この期間、温室内のスペースに余裕が無かったので無暖房の自部屋&廊下での常温飼育でした。
我が家のような環境の場合、極論すればドルクスは幼虫時の春~秋以外は温度管理しなくてもいい(死なない)ってのが助かりますね。他の種に温室スペースを割けますから。ただしその分、温室の外がとっ散らかる事になるので管理に悪影響があるのは否めませんが・・・
常温と言ってもそこまで温度が下がるワケではなく、厳冬期で4~7℃、特別寒い日でも一時的に2~4℃程度になるくらいなので越冬にはちょうどいいのです。ただ、今考えれば部屋の窓側、しかも床に直置きだったのはよろしくなかったですね。

春になり、昼夜の寒暖差も大きくなりだしてきたところで再度温室へ(詰め込みました)。一部の個体はエサ交換を行ないましたが、他の虫の世話やら何やらでダラダラしていたら “手遅れ” っぽい幼虫もいくつか見えてきてしまったので、そのまま一本孵し(と言う名の実質的放置飼育)を敢行しました。

余談ですが、昔は「オオクワ専門のブリーダーって数百~千頭以上飼ってて、飼育作業に年中追われてキツイだろうな」とか思ってました。
ある時、八戸市のN氏(と言えば解かる人にはピンとくる)が「いや、そうでもないよ」とサラッと否定した事に膝を打った事があります。曰く、「オオクワはエサ交換のタイミングが決まってるから、作業する日は忙しいけどそんな日は年間で何度もないんです」との事。なるほど! とは言っても、誰でも真似できる物量ではないし、計画性の無い自分では頭数が少なくても適正タイミングで全頭エサ交換なんて不可能ですネ。・・・ハァ~

なお、WF1の弱さか、はたまた冬の管理の問題か、初夏のあたりには死亡個体がいる事も判りました。ただ、数にして3~4頭。元の数を考えるとごく自然な割合、エサの適合など諸条件を考えても決して多くはありません。

そして夏本番、この頃には蛹室も見え始めて続々と蛹化・羽化個体が見られるようになってきました。今回、幼虫飼育は皆PPボトルだったので、蛹室内の個体の状態はハッキリと観察できなかったのは残念でした。久しぶりのオオクワ飼育だったので、蛹室内の蛹とか新成虫はやっぱ見たいじゃないスか。
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中には、550cc1本で羽化した♂もいました。一部の人から見たら説教モノのスパルタ飼育ですね。
こうして無事に大歯で羽化してくれたのは、東北のオオクワに優しいブナオガ菌床(KBファームのAG)だからでしょうかね。

冬期の管理の仕方もあってか、全頭2023年夏までに羽化しました。
(↑↑ここ覚えといてください、この後「しくじり編」に突入します)
羽化した個体は、一部の♀個体を除いてほとんどがそのまま蛹室で越冬、2024年に羽脱するのを待って個別飼育に移行しました。

・・・と云うワケで羽化個体の紹介です。
全頭は流石に面倒なので、代表個体を4頭だけ挙げます。

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2022年9月29日 割り出し 3令後期 KBファーム製AG550PPボトルへ
2023年9月9日 掘り出し 羽化確認 44mm

♀は皆、割り出し→550PPボトル→一本羽化のパターンです。
それでも、43~46mmのサイズで出てきてくれました。昔だったら、今以上の杜撰な管理で37mmとかが関の山だったので、これでも感動を覚えます。
特にこの個体に限って言えば、割り出したの3令で、しかも成長期過ぎてましたからね。それで44mmは上出来でしょうよ。

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頭部のアップ。すいません、管理中に長い事ゼリーの殻ガジガジ齧らせまくってた影響で随分ハゲてしまいました。


♂‐1
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2022年9月29日 割り出し 1令 KBファーム製AG550PPボトルへ
2023年5月28日 3令後期17g 同1100PPボトルへ
2023年6月20日 蛹確認
2023年7月23日 羽化確認 65mm

650cc1本で羽化した♂もいると前述しました。これも1回交換しているとはいえ、その後即蛹化した事を考えると内容としてはほとんど変わりません。割り出し時、絶妙な小ささだったので♀と間違えてしまい、♂と判明した頃にはボトル内は食べ尽くされてフンがサラサラになっていました。蛹室が作れなかっただけで、蛹になる気はマンマンだったのでしょう・・・
ただ、それらの個体達も皆63mm以上の大歯で羽化したというのが驚きです。さっきの♀の話と同じ内容ですが、以前は50mm台の中歯が出てくるのが当たり前だったので、今回「中歯以下が無し」と云うのは個人的には快挙ですよ!

さて肝心の虫、その体型について。
写真は出来るだけ上下の距離感を均等にし、魚眼効果があまり出ないように被写体からなるべく距離をとったつもりです(現代では絶滅危惧種となってしまった「頭部デカく見せたろおじさん」にならないように気を付けています)
こうしてみると「東北の個体だなァ」と納得してしまうと言うか、よく言われる「胴長でアゴが短い」イメージにピッタリ当てはまる感じに見えます。古参のオオクワ好きの方はどうやら、「下半身はシュッと細短く、上半身・特に頭部が強壮で大きい」のが好きなのが多いそうですね。この部分については、オオクワ全盛期の雑誌の煽り方なども一役買っていたようにも思いますが、それが薄まった現在は人によって好みも実に多様になってきた感はあります。個人的には、シカ系やノコギリ系が好きなのでこういう胴長タイプの方が好みではあるんですがね。大腮に関してはこの後、先の方で書こうと思います。


♂‐2
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2022年9月29日 割り出し 2令 KBファーム製AG1100PPボトルへ
2023年6月15日 蛹確認
2023年7月10日 羽化確認
2023年9月9日 掘り出し 71mm

苦節〇〇年、生涯初の7cmオーバー。
やった・・・遂にやったよ俺ァ・・・
それまでの自己最大が2014年羽化の68mmだった事を振り返ると、感慨深さにひたると共に、飼育歴と飼育技術って比例しないんだなァと哀しくなってもきますね。

ただ、残念な事にこの個体は完品ではありません。
狭い1100PPボトルで蛹室を壁面に沿って作ってしまった所為か、ボトル壁面で圧迫を受けたか前胸左側が歪んですぼまってしまいました。また、心なしか体勢も左曲がりで、撮影中も真っ直ぐ伸びてくれません。


初の70オーバーは惜しくもモヤる個体となってしまいました。これを見た時、それ以上の個体は出ないものと思っていたのですが、今期最大はこの後生まれてきました。
それがこちら↓↓
♂‐3
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2022年9月29日 割り出し 2令 KBファーム製AG1100PPボトルへ
2023年7月23日日 羽化確認
2023年11月25日 羽脱確認 72mm

いよいよ完品の70UP! (右アゴのシワはご愛嬌ね)
そして、この個体が今世代での最大個体でありました!
文句の(ほぼ)無い大型個体が我が家で生まれ、それが1100cc1本で出てきたと云う事実。もしエサ交換をしたならまだ大きくなったのか? など、さらに大型化の余地があったとも考えると今後の飼育継続のモチベーションも落とす事はないでしょう!
ん? 「血統物が90UPの時代にそんなので大きいと言わない」
うっせぇ!ギネス基準でしかサイズの話をしない小学生か!



その2 十和田市 産地A
▼前回の記事を振り返って
同じく2022年に未交尾と思しきWILD♀とWF1♂をかけてセット。辛くも、採れた幼虫は僅か3頭(内訳は、1令×2頭、2令×1頭)。多分これ、♀の蔵卵が尽きていたとかじゃなくWILD特有の産ませ辛さによる結果だと思うのですが、この♀から採った幼虫はこれが全てです(今この♀はアセトンの中に沈んでいます)

さて、これらの幼虫も前項と同じくKBのAG菌床に入れたのですが、こちらは管理・置き場所は違って、温室の中に入れて管理していました。頭数が少ないだけに、市町村α産と比べて優遇した管理をしていたと云う事ですね。

そんな気持ちが伝わったのか、な ぜ か 続 々 死 亡 し て い き ま し た 。
最初の頃にちょっと見えた食痕が、何ヶ月経っても増えません。はじめは「ほう、居食いかな?」などと呑気に放置していましたが、しばらく経ってもボトルを持った重量感が変わらない事から、全てを悟りました。
どうやら、完全ではないものの冬になっても恒温飼育していたのが悪い方に影響したと思われます。いやホント・・・飼育歴何年なのや! って話ですよね。

ただ、全滅したと思いつつも温室内でボトルを放置していたら、実は1頭だけ生きていた事が判りました。この時点で、個人的にはほぼほぼ棚ボタ的展開でした。


▼羽化報告
さて、その唯一の生存個体ですが、ブログ的にはあまり見栄えのしない♀個体です。ん~・・・まァでも、サバイバル映画とかでも生き残った最後の1人って大概女性だし、こういうモンなんじゃないでしょうか。
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2022年9月17日 割り出し 2令
2023年5月28日 3令11g KBファーム製AG1100PPボトルへ
2024年2月29日 3令後期 同1100PPボトルへ
2024年7月30日 蛹化確認
2024年9月12日 羽化確認
2024年9月23日 掘り出し 45mm

およそ2年掛かりました! ♀で2年1化ってどれくらいの確率で起こるものなのか知りませんが、もしかしたらセミ化一歩手前だったんじゃないか・・・?
後で気付きましたが、この個体って割り出しの時に唯一2令だったヤツだったんですね。弱いなぁ・・・F1は・・・


これだけの期間を経て、たった♀1頭・・・
小学2年生の時、オオクワを初めて買ってもらった時の事を思い出す・・・あの時「♂は高いから」って♀単品しか買ってもらえなかったんだけど、それでも嬉しかったのよなァ。

さてこの後ですが、“一応” ブリードする予定で管理しています。
実は2年前にペアリングで使った親♂、まだピンピンしてるんですよ。さすがに来年の春のペアリングに堪えるのか疑問ですが、今はもうしっかり越冬態勢に入っちゃってるし、期待せず待とうかなぁと。もしダメでも、青森の最有名ポイントなので、貰ってくれる人探せばいるでしょ、たぶん。



その3 十和田市 産地B
▼前回の記事を振り返って
WILD個体を採った2022年の秋に追い掛け無しで♀をセット、辛くも4頭の幼虫を採ってWF1飼育をスタートしました。
幼虫は、例に漏れずAG菌床で管理し始めたのですが・・・


▼2024年 再セット
前回採れた幼虫が少なく親♀も2024年時点で存命だったので、春に2度目のセットを組んでみました。
(ちなみに2023年はどうしたのサと云うと、ちょっと虫作業を抑えざるを得ない状況になってしまいノータッチで見送っていました)
ちなみに、前記事にもある通り同産地で♂も採っていたのですが、2023年の冬明けに寿命が尽きてしまいました(結構ボロだったからな・・・)。それまでの間、一度も同居orハンドペアリングを行なっていないので、厳しいですが親♀には持ち腹で頑張ってもらうしかありません。セット内容は初回と同じく「砂埋め霊芝材の縦埋め in Beケース中サイズ」。

結果から言うと0無反応・無産卵でした。
材の根元をグルグル回っただけで齧りもしません。2ヶ月経って謎の大きなハエが羽化してケース内を飛んでいたという珍事だけで終わりました。


気を取り直して3度目。もう7月でした。
コバシャの中にホダ木2本を寝かせてマットで埋め込む、スタンダードなセット。なんとか…なれーーッ

・・・

・・・

・・・反応しないぃぃ!!!
ケースのフタ開けたらいつもいるんです。種切れなんじゃないかと心配になります。


月日が経ち、同産地にて2♀♀採れて前回記事の個体がそれ)気分が楽になった後で思い出したようにケースのフタを開けると、木が!齧られてる!もしかして…セットに馴染むまで時間が掛かってた…ってコト!?
ひとまず採集シーズンの終わり頃までセットを寝かせておくことにして、11月10日に割り出し作業を行ないました。

寒空の下、ケースオープン!
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中はコバエで酷い有り様になっていて、この数年の我が家では例を見ない魔窟と化していました。まぁ、コバエの活性が鈍るこの時期まで割り出しを待ってたってワケです。 ホントですよ。

ケースをひっくり返してみると
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坑道の中には親♀が入っていました。生きてます。

材は2本あったうち、片方はユルユルのスポンジ材になっていて “遊ばれて” いました。そうなると期待できるのは残り1本だけ・・・
3年目、3度目の正直てヤツを見せてくれ・・・ヤーッ!!!







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わァ… …… ァ……
こんなんさァッッ絶対アレじゃん コバエにやられてさァ

ちなみに、今年採った2頭は全くセットしていなかったので、今年一年を通じて採れたオオクワは本当に「ただの1頭だけ」と云う事でフィニッシュです。


▼羽化報告
さて、飼育歴ウン十年の腕前を披露したところで今度は2022年割り出し分の幼虫のその後です。2年が経ち、全ての個体が羽化したので結果発表です。

まずその経緯ですが、
改めて書くとこの年採れた幼虫は4頭。1令×3頭と2令×1頭でした。
菌床に入れた幼虫は “大事に” 温室で管理していました。

“大事に” 温室で管理

“大事に” 温室で管理








後年、3頭の死亡を確認しました。

残る1頭についてもさっきの産地Aと同じ展開。「全滅かと一瞬全て諦めかけたところで1頭生きているのに気付いた」と云う流れ。
また、もう1つAと同じ点――生存していた個体は割り出し時に1頭だけいた2令のヤツでした。

ただ、今回違うのは嬉しい事にコイツは♂でして、掘り出す前からちょっとワクワクしてきました。
2年1化で今年の晩夏に羽化し、身体が固まってくるのを待って10月初頭に掘り出してみました。


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・・・ふつくしい・・・!
狭い1100PPボトルの中でも上手く蛹室を上部に作って羽化していて、今までに類を見ないサイズなのは一目で判りました。

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2022年11月6日 割り出し 2令 KBファーム製AG650PPボトルへ
2023年5月28日 3令後期 23g AG1100PPボトルへ
2024年2月8日 きのこの山製WISH-A1100PPボトルへ
2024年8月末頃 羽化
2024年10月6日 掘り出し 75mm

70台後半に届きました! 驚いてます。10年前の自分なら声まで出たでしょう。
飼育経過を見ると、もうメチャクチャだと云う事が分かるかと思います。初回の650→1100の交換時は食べたボトル内のオガがほどよくサラサラの状態でしたが、次の交換時はボトルの中ドロドロでしたからね。と云うか、ちゃっかり銘柄変えてますし。エノキオガ使っちゃったよオイ。AGより微粒子なのに(しかも結構な期間寝かせてたボトルで)よく頑張ってくれました。





さて、全てのラインが羽化して丁度いい区切りになったので、♂個体をちょっと見比べてみました。

まずは市町村αから
α1zoom
α2zoom
α3zoom
上から、♂‐1、♂‐2、♂‐3です。
撮影時には、頭胸部の節と大腮先端に等しくピントが合うように意識したのですが、それを踏まえて見ると♂-2がこの中で一番内歯が前を向いていますね。ホペイみたいな「内歯重なり気味」よりは「内歯が内側を向く」方が好みなのですが、大腮全体を通してみると3個体それぞれに違った雰囲気があって個性的に感じます。♂-1も結構好きですよ。

続いて、十和田市 産地Bの♂
T2zoom
これもまた前出の個体とは顔が違いますね。
市町村αの♂達と比べて大腮が直線的に感じます。市町村α♂-3よりも、内歯の生え際が根元寄りな印象を受けます。

産地双方の最大個体を並べてみました。
PB060845.JPG
右の個体(市町村α♂-3)がちょっと身体を丸めてしまってますが、印象は大体こんな感じです。
左の個体の方(十和田B)が卵体型に見えます。これを世間ではブサイクと見てしまう向きが強いと思いますが、この2択なら自分は左を取りたい・・・

また、若干左の方が胴長体型に見えます。
試しに、頭胸部の各サイズを計測してみると↓↓
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全くその通りである事が裏付けられてしまいました。大腮の長さほとんど変わらない・・・いや、右の方が湾曲強いから発達度も含めてこっちの方が上でしょうね・・・
つまり、左のが好きだ!!!
(今回の記事、同じ主張をホント何度も繰り返すよね)






・・・以上が2年分のオオクワ飼育集大成でした。

WILDのセット時に掲げた目標――大きい個体を羽化させる――と云うのは達成できました。終わってみれば、70UPも3頭出てきてくれたし、死亡率が高かったものの羽化♂個体は全部大歯だった事、これは昔と比べると大きな飛躍です。
その一方、産ませる事に関してはグズついた印象の方が強かったですねぇ。十和田市産なんて、増えてないし。来年からはまた新規・未攻略地の方に専念したいので、今期までに採った個体は絶やしたくないし。

来年以降、WF1個体や今期採集個体のセットも予定していますが、現在のところ覚悟が決まりません。
紀伊大島のヒラタやコクワも増える(予定です)し、今年ちょいちょい増種してましたので来年の飼育スケジュールがちょっと切迫しそうなのです。


今年も残り1ヶ月。
一年の区切りがつくまでにどこまで記事を書き終わらせられるのか・・・

2022年 青森県産WILD割り出し総決算

7月オオクワガタのセット記事を書きましたが、
つい先日までに今年セット分の割り出し作業が全て完了しました。
今回はそのまとめ記事です。






 【オオクワガタのセット記事】

   ⇒ 2022-7-30 『青森県産オオクワの個体数(家の)』

当時の記事の終わりに書いた通り、セット後の♀個体の反応は上々。
さらに、この夏に十和田市の別産地で採集した成虫もいますが、こちらもセットしました。






 【この夏に十和田市の別産地で採集した成虫】

   ⇒ 2022-8-30 『2022年オオクワガタ採集 ― 8月豪雨の後に ―』


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一度に3セット組んだと云う事で、
久しぶりに気合を入れて菌糸ビンを箱買いしました。
9月初め、容量は2種類、画像は左半分が650ccで右半分が1100ccです。
自分の普段の注文量と比べると多いので買う前にどこのメーカーから買うか結構悩みましたが、ブナ帯のオオクワガタなので、ブナオガを使った銘柄を使う事にしました。



詳しくはこの後書いていくとして、
早速割り出し作業の内容をセット(産地)毎に作業日順に書いていきます↓↓

その1 十和田市 産地A
【♂親個体】56mm WF1 2021年春羽化
【♀親個体】36.8mm WILD 2021年8月29日採集
【セット日】2022年6月10日 ※♀親取出7月29日
【セット内容】Beケース中 砂埋め霊芝材 広葉樹未発酵マット プロゼリー
【割出日】2022年9月17日夜中(作業は16日深夜から開始)

親♀をケースから出して1.5ヶ月経過してからの割り出しです。
セットからは既に3ヶ月が経っているので、初期に産んだ卵ならとっくに2令の後期くらいに差し掛かっているタイミングです。
いつもならここからさらに2ヶ月くらい放置・・・いや見守るところでしたが、今期のブリードの目的は「未だ我が家で生まれた事が無い70overの羽化」。見守りはもういいでしょう!
それと、もしも幼虫が想定外に採れ過ぎてしまった時にはヤフオクと云う手段がギリギリ残されているので、それに間に合わせる意味もありました。
(「ヤフオク!」の出品ルールとして、2022年9月29日以降に個人のオオクワガタ出品が禁止されました。ちなみにですが、自分は過去にヤフオクでオオクワ生体を出品した事はありません。)

ケース内を見ると、親♀が齧った他に様子が変わった風には見受けられません。

KIMG4688.JPG産卵材をマットから引っこ抜くと、地中部にはちょろっと走る白い食痕が確認出来ました。
(この画像では遠くて分からないのですが)

KIMG4694.JPG食痕が出た部分から材を割っていくと、早速出てきました!
当初に思っていたよりも未熟で1令です。
遅かったかなと心配していましたが、これなら体重増やすのも見込みが出てきそうです。

続いて出てくる幼虫も、1令、1令と続き、
予想外にも若い幼虫だらけ。





そんな今回の作業の中で、一番予想外だったのは





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見ての通り、総頭数 僅か3。 ぅ、嘘だろ・・・
産卵材を割ってても食痕が少なく、中盤から「あ、ヤバいかも」と焦り始めてました。羽化してもペアが出来るかどうか心許ない数ですし、親♀がWILDなので幼虫が弱くて死ぬ可能性も低くはないです(自分の飼育の腕前を考えると尚更)

希望としては5~7頭居れば丁度良かったのですが、これは来年再セットを考える必要もありそうです・・・
普通でメジャーなラベルだからあんまり気乗りしないんだけど・・・




その2 市町村α
【♂親個体】54mm WILD 2020年8月13日採集
【♀親個体】35mm WILD 2021年7月29日採集
【セット日】2022年6月3日 ※♀親取出7月30日
【セット内容】Beケース中 砂埋め霊芝材 広葉樹未発酵マット プロゼリー
【割出日】2022年9月29日夜

こちらは先の十和田市Aより前に1週間早く組んだセットです。
セット内容は同様ながら、ケースの中は全く違う様子になっています。
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ケース側面には大きな幼虫の姿が!

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フタを開けて上から見ると、霊芝材の白いフラスが大量に噴出しています。
と言うか、セットした時には材はマットで半埋めにしていたのに、材の木口付近までマットがせり上がっています。中はどうなっているんだ・・・

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ケースの中身をひっくり返して出しただけで幼虫がゴロゴロ転がり出てきました。



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結果、丸々とした幼虫が19頭も・・・!!
スタート時期もセット内容もあまり変わらないハズなのに、頭数も成長具合も十和田市Aとは対照的な結果でした。

内訳は、
・1令・・・ 1頭(♀)
・2令・・・10頭(♂9頭、♀1頭)
・3令・・・ 8頭(♂2頭、♀6頭)
雌雄判定が合っているとすれば、若干♂の方が多めで嬉しいところです。

ただし現在の小規模飼育を考えると、この数でも正直言って多いと感じてしまいます。しかも、こっちの産地は十和田と違って不特定の人には教えたくないので、ヤフオクには出さないと決めていた方。
産地を知っているのはほとんど採集屋(人から貰ってまで飼育はしないような人達)ですし、この土地に所縁のある(思い入れがあって大切に飼ってくれそうな)県外の知り合いも居ません。
メンバーに押し付けるのもなァ・・・

考えてみましたが手放す事は出来そうになく、とりあえず全頭抱えていく事に。



その3 十和田市 産地B
【♀親個体】37mm WILD 2022年8月24日採集
【セット日】2022年9月8日 ※♀親取出なし
【セット内容】Beケース中 砂埋め霊芝材 広葉樹未発酵マット プロゼリー
【割出日】2022年11月6日昼

先に組んだ2セットの事を考えると、長命な種と云う事を考えて来年春にセットした方が色々都合が良いとも考えました。しかし、2次発生個体とは言えもし持ち腹だったらそっちの種を使って産ませてみたいと思った為に、「もし持ち腹だったとして、来年までどれくらい種が残っているのか」どうにも不安になってしまい結局今年の内にセッティングしてしまいました・・・
加えて言えば、採った♂もそこそこボロ個体なので、来年のペアリングまでに生きているか不安でもありましたしね。
(ヒメオオなんかもそうでしょうが、こっちの地域では2次発生の個体は交尾後に冬を越してから産卵するのは普通のことだと思うので、冬を越したら種切れになると云う心配は要らないんでしょうけどね)

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セッティングに際して、産卵材に加水する際にはちょっと気分を盛り上げる為に、同じ十和田市で採水した「奥入瀬源流水」を使ってみました。
菌糸ビンを買った時のブナオガ選定も似たようなものですが、元の環境に近い物を与えてやりたいと云う自己満足ですね。
ただ、ツリガネタケ菌床なんて手に入りませんし、産卵材はクヌギの霊芝材なので「徹底」しているワケではありませんが・・・
(この部分に関しては、個人で「徹底」的にやるのはかえって良くない事でもありますけどね)
水については、ちょっと書いてみたい話でもあるのでまた後日改めてアップしようかと思います。

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我が家の砂埋め霊芝材の中からオオクワ向きのダメ材がまだあるのか探してみましたが、まだありましたねぇ・・・
ハズレ材、多くない・・・?


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セット環境も先の2つと全く同じ、材を縦置きで半埋め。
親♀は勿論♂と同居無しで単独投入しました。

数日後、材には大きな穴が開き始めました。今年はもうこれで3度見た光景ですが、持ち腹か分からない為、「越冬場所の為の穿孔じゃないよなァ・・・」などと変な不安を抱いてしまいます。

それからしばらくして秋も深まってくると、親♀はエサを食べにくる様子もなく、材の様子も変わり映えしなくなりました。越冬態勢に入ったものと思われ、そのまま割り出しまで放置・・・ぁ いや見守る事にしました。

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そして2ヶ月経った11月6日、割り出し当日の様子。
ゼリーは食べた様子が無く、セット全体から静けさすら感じられます。ただ、地上部ではトビムシがピンピン跳ねているので、屋内では作業せずに寒空の下で割り出しを行ないました。

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産卵材をマットから抜き出すと、ちょうど芯の真下に親♀が縮こまっていました。
写真でも分かる通り、きれいに円い空間が出来ていて見るからに「越冬中」って感じですね。野外でも、ゴミムシとか単独で居る奴だとこんな感じで出てきますよね。

材を見てみると、どうやらマットへは出てきていない模様。
ひとしきりマットを漁って幼虫が居ない事を確認し、材を割っていきます。

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表面から少しずつペキペキ剥いていくと、発見しました食痕!
やはり持ち腹でした。

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ある程度表面を剥いでみて、いくつも走る食痕に期待が膨らみます。









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そしてこの有り様。

なんだろう、俺は十和田に呪われているのか・・・!?
もはや十和田の水使った事とか、何の願掛けにも成ってませんでしたね。
割ってる最中、芯部近くなってきた頃には身も心も相当寒くなってきてましたよ。

でもまぁ正直言って、市町村αで既に温室のスペースを結構取られてしまった事からすれば、ある意味これくらいで済んでくれてホッとしてますけど。






以上で全てのWILD個体の割り出しが終わり、
♀3頭合計26頭が得られました。
その内、まともに産んでくれたのは1頭のみで2頭はこの通り渋い結果。原因としては管理温度、時期だとか産地柄だとか、考えられる事はいくつかありますが
先日開かれた青森県虫屋の納会の場で、産ませる条件として興味深い話が聴けたので来年別産地が採れたら試してみようと思います。



そして、産ませたまではいいとして、次は大きく育てられるのかが心配。
今までもそうでしたけど本番はここからなんですよね。

スケジュール的に2頭は実質夏採り、1頭は秋採りとなるワケですが割り出してビンに入れるタイミングが遅かったのはちょっと心配です。
2年1化の長期飼育となると、悪い癖でビン交換怠けてしまいそうです。

良い型の成虫を見るまでは、
それぞれの産地に気を配って(当たり前だが)育てていきたいと思います。

ずっと記事書いてたら眠くなってきたので、
締まりがイマイチですがこれでひとまず 終わり。

青森県産オオクワの個体数(家の)

7月26日にようやく青森県も梅雨明けが発表されましたね。しかし、今年は梅雨明け発表がされた他の地域でも雨が続いたりしましたし、青森も御多分にもれずこの後雨続きになる見込みです。ねぶた祭り期間モロ被りです。自分の記憶だとねぶたのタイミングでよく雨に降られていたので、3年振りに開催されるねぶたの呪いではないかとも思っています(ディスる地元民)

さて、6月中に書いておきたかった飼育ネタを1つ余していたので、
ここまでの夏季シーズン中で残念ながら書く事が無い採集ネタに代えてブログに残しておこうと思います。


一般に、オオクワガタはクワガタ飼育の入門種で初心者向けと言われています。
成虫も幼虫も丈夫で、飼育可能な温度帯も広くエサも豊富に開発・流通し飼育情報も大変多い事がその理由です。

しかし自分の場合、そう感じたことはほぼありません。
特に近年は、オオクワって増やすのも育てるのも難しいと感じてならず、ブリード個体が次々消えていきます。
実は、以前割り出し記事に書いた幼虫達は全て蛹化前に死亡しています。全滅。


自分の場合、採ったオオクワガタは基本的に「一度」産卵セットを組んでみます。
(例外的に、知り合いにあげたり多少の期間観賞飼育して〆たりもします)
ただ、時期によって産みやすさが違うのでしくじる事も多いです。
その要素として、
①盛夏になってセットしても暑さでバテるのか産卵せず来年春にやっと産む
②比較的採りやすいと感じている2次発生個体は、羽脱直後で♀が未交尾
と言ったところです。

もうちょっと詳しく言うと、①の場合は次のブリードシーズン(翌年春~初夏)を迎えるまでの長い期間の間に管理ミスや寿命で死ぬ、②に関しては同産地の♂が採れずにペアリングの見通しが立たないまま寿命が近づき〆ざるをえなくなってしまう、・・・とこんな感じです。

また、自分のオオクワとの飼育上の相性の悪さ(と飼育下手)により、採れた幼虫の成長率・蛹化率・羽化率が異様に低いのも飼育個体数が維持できない理由の一つです。
この記事カテゴリでは以前に割り出し記事も書きましたが・・・その時の幼虫達、つい先日残りの1頭の幼虫が蛹室内で蛹になる前に死亡してしまい、前述したように全滅したと云う経験をしたばかりです。
近年はノコギリ系やカブト系に傾倒していた事もあって、マット飼育で多少放置もできて・・・と云う飼い方に慣れていたのもあったかもしれません、――最初は菌床に入れていたのにいつの間にかグズグズになっていて焦ってマットに入れたらいつの間にか溶けていた――と云う流れですがこれでオオクワガタはイケなかったです。WF1だからでしょうか・・・?

そんな、長年虫を飼っていながらここまで恥ずかしいミスを犯し続けると、流石に反省しないといけません。
もう「最後に見たのがいつだったかも分からない」大歯の♂を羽化させる為に、現在残っている個体の2022年度ブリードを開始しました。



その1 市町村α
県内のとある市町村産(当ブログでは、メジャー産地の十和田市以外は市町村名も伏せています、現在は1♂1♀(どちらも採集個体)だけが飼育されています。

2019年青森県某所産ワイルド.JPG
♂は2020年8月13日採集、♀は2021年7月29日採集。

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冬を越して、5月には活発に動き始めていたので同居させてペアリング。

産卵材は、ここ数年は植菌材を使っていましたが失敗ばかりだったので今回は使わず(と言うのも、使う際の材のコンディションが上手く合わず、買ったあと時間が経ってグズりだした物や、急いで買った所為でまだカチカチで使えない物を使う事が多かったので)、家にある砂埋め霊芝材の在庫から、ホソアカやシカやオウゴンオニに使うには不向きそうな堅めで芯が残ってそうな物を探しました。
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探すと言っても、実際には切ってみないと分からないのですが、見事に一発で当たりました。
直径の5分の3が芯じゃねぇか!!! これ、もし軟材産みの種をブリードする時に引き当ててたらゴミ箱にブチ込んでましたね。

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Beケース中サイズに、加水・皮を剥いだ霊芝材を縦置きして、未発酵マットで埋めてゼリーと♀親を入れてセット完了。


その2 十和田市 産地A
こちらはメジャーな十和田市産。市内でも産地はいくつかあって、一時期は自分も複数産地を飼育していたのですが、残念ながら現在はこの1産地しかいません。
現在は成虫が1♂1♀いるだけで、前項の市町村αと合わせて我が家にはオオクワガタが4頭しかいないんですよ。←それが我が家のオオクワガタ全てです・・・

青森県十和田市産WF1♂.JPG
♀は2021年8月29日採集、そして♂はいつから居たのかもう思い出せないWF1の飼育品。温室の奥から出て来て、ラベルを見て「あ~、こんなの居たのかぁ」と驚いたくらいです。「10年余りの歴史のある虫ブログで見せる飼育品オオクワガタ」としてはあまりにもショボイ歯型でしょう・・・生育環境が良くなかったのか、体型が歪んでいます。
♀も持ち腹だったら良かったのですが、2次発生個体でどうも未交尾なようで。

前項の市町村αの少しあと、こちらも遅れてペアリングーセットを開始しました。
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こちらのセットも使用する材は砂埋め霊芝材。
何故か今度も一発でハズレ材芯の太い材を引き当てました(うわぁ、家にある霊芝材他のヤツも皆芯ばっかりなんじゃないか?・・・後々心配になるわ・・・)

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セット方法も同じです。
本記事の2産地、写真のビジュアルが全部一緒過ぎてコピペでも良さそうなのが悲しい・・・


その後・・・
結論から言うと、「うまくいきそう」です。

両方のセットとも材を齧っています。いずれも材の埋まり際の所を重点的に齧っていて今では材が程よくボロボロになっています。
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これだけ齧っても卵を産んだかまだ定かではないのですが、そろそろ♀を取り出し保管に移したいと思います。
少なくとも、「こんなに産んじゃってどうしよ~」なんて調子づけるほど産んでないとは思うので、もし採れたら次こそは生まれた分の幼虫を皆無事に羽化させなければいけません。


2019年青森県産オオクワガタ♂.JPG
最後に、オオクワネタと云う事で今期の採集状況について。
今期は、去年までのコクワ採集でお預けになっていた新規開拓挑戦も再開したのですが、難易度がえげつなくて苦しく虚しい日が続いています。採集済みの産地(市町村)で遊んではいられない(すみません、言い方が悪いですね)と思い、前項の2市町村では今年まだ一度も採集していません。
つまり今年はまだ1頭も採れていないのです

6月から色々な所で色々な事をやってきてはいますが、無理を押した結果体調を崩し気味にもなっているので、本当に最近は焦っています。
6月7月ともう過ぎちゃって、あとシーズンは半分の8月9月だけですからねぇ。

ねぶた祭り(8月)、このまま来なければイイのに・・・

クヌギシンクイ

次に公開するつもりで編集している記事の完成はまだ先になるので、
空いた期間の中埋め的に今回の記事を書いておきます。


今回は、我が家では存在が空気的に薄いオオクワガタの割り出しです。

去年、マイナー市町村某所で採れた♀を産卵ケースにすぐ投入したのですが、
その後採集した♀個体のセットや越冬物も含め、材に明確な反応が無いまま冬を迎えてしまいました。


越冬の為にと、秋まで入れていた温室からケースを出し、屋内常温で放置管理していたのですが、この暖冬の影響からかある冬の暖かい日に目を疑う光景を見つけました。




材からフラス(木屑や糞)が出てる!?

夏季には外見から何も反応が無いように見えていたケースから、初令幼虫大の坑道とフラスが確認できました。
一瞬、材の中に元々雑虫が潜入していたのではないかとも思いましたが、
セット前の材の様子を思い返せばそうとも思えません。

さらに、年を越してからまた久し振りに様子を見ると、
ケース側面に初令幼虫が出てきているのを確認。
どうやらちゃんと産卵されていたようです。




無事に幼虫も見えたので、
どうせ採集シーズンになったら手が回らなくなる加令しないうちに割り出すことにしました。
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一度うっすらカビも回った材から生命反応が現れています。


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新聞紙の上にケースをひっくり返すと見えるのは親♀。
ケースの一番下に潜り、周りのマットを固めてしっかりした空間を作って留まっています。野外でのクワガタの羽脱後越冬は見たことがありませんが、オサムシなどは朽木内や樹皮の下で身動きがちょっとできる程度の空間を作って越冬していますがそんな感じです。

とりあえずマットを暴いてみましたが幼虫は居なかったので、以前見えていた幼虫は材に戻ったものと思われます。親♀はずっと同じところでじっとしていたので子食いは多分していないはず・・・

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残った材には、画像では見え辛いですが、地中側にちらちらと産卵痕が付いています。
材が堅かった所為か、内部には穿孔せず表面産みをしたようです。


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材を割っていくとすぐに食痕を確認、ほどなくして1令幼虫が出てきました。

それにしても、親♀が表面に産まざるを得なかっただけあって堅い(苦)
材の端から爪とホビーペンチを使って割っていくんですがなかなか大きく割れない。
親指の爪が剥がれそう・・・ッ



食痕は表面近くに比較的走っていたのですが、
元々それほど多くなかったですが中心部に近づくにつれて少なくなり、径の半分近くまで来たときにちょっと挫折しかけて、それでもまだ1本続いている食痕を追いかけ続けると、

遂にたどり着いたのは材の最中心部。
もう爪では太刀打ちできません。

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なんでお前こんなとこまで来るの!?
一応この材には芯材部が無いので、本当に芯を食っているワケではないんですが。


この中心部に居た幼虫を取り出し、食痕の追跡はすべて終了!
少ない割に時間かかったな・・・1本の材をただ割るだけでも1時間掛かりました。




そして、採れた幼虫をカップに移して作業終了!


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   結果


3頭 すべて初令




いつも通り過ぎてなんも言えない。
全て1令だったことから、親が秋になるまで材に慣れなかった(か、仕込んだ当初はもっと堅くて齧れなかったか)のでしょう。

この数については、幾分か♂♀分かれてくれそうな可能性が残っているならこれでも良いかなという感じ。
実は去年秋にもう1セット、十和田産(2019年6月に採った♀)の割り出しもしたのですがたしか2ケタいかなかったんですよね。しかも手元に残した僅かな幼虫も現在は数が減ってしまってます。死亡率が高いWF1だからか古いカワラ菌床に入れたからか・・・まァ、要因がいくつもあって考えるだけ無駄なんですが。



いやぁ~、オオクワって本っ当に難しいですね。
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