Jump into forest!! ヒメオオ採集2023年9月総集編

脚、痛ってェ・・・!

いや、別に大きな怪我をしたとかではない。
ヒメオオクワガタ採集で少しばかり無茶をし過ぎた結果、脚が極度の筋肉痛になっているだけだ。

9月、この時期は毎年ヒメオオを探して脇見運・・・――ッではなくて山歩きに勤しむのが恒例となっている。
夏のライトトラップの延長戦を選ぶか、ヒメオオ採集にワークチェンジするかとても悩ましい時期で、ライトラをやるようになってからはヒメオオをほとんど見ずに終わる年もあった。
「いや、ライトは夜だしヒメは昼なんだから、一日で両方やれるだろ」とも思うところだが、意外とそう上手くはやれないものだ。と言うのも、ヒメオオを探しに行く場所は例外を除いて〔新規〕か〔大型個体未採集〕の産地に限っている。また、ライトトラップもこの時期になると狙い目の虫(あえて具体的には書かない)が採れるのは盛夏に比べると限られ、ヒメオオを探しに行くポイントからは離れている。これら双方のエリアがきれいに離れている為に、どちらかしか選べないワケだ。


どうでもいい話が長くなってしまったが、今回は兎にも角にもヒメオオの話である。この脚の痛みを忘れないうちに、ドーンとまとめて9月分の採集行を書きまとめておく。一気読みは体に悪いので、適度に休息を入れる事を強くおすすめする。







9月12日 黒石市
『HIMEOOの世界 その1』

実質的にこの日が今年最初のヒメオオ採集である。
自身、まだ夏のライトトラップを諦めきれないでいた時期だったが、知り合いから発生報告を受けた事で触発され、現地へ向かった。

ここのポイントを知っているのは、断言はできないがその知り合いと、YES, I AM!
その人は日昆のメンバーではなくまして虫屋でもないが、「生物に対する理解」があり、「採集圧による発生の消長」、ひいては「根こそぎ採らない事の重要性」を理解していると判断し、その他成り行きもあって自分がこの場所を教えたのである。シーズンが始まると観察に出向き、その様子を教えてもらう事もある。

勿論、言うまでもなくポイント発見時に産地コレクション分は採集済みなので、観察目的のみで現地へ向かった。見られればいいや、と云う事で特に装備も揃えてはいない。


この日は天候に恵まれ空は晴れ。
青森市を出発した頃にはウッキウキで青い空の下をドライブしていたのだが、黒石市内の山中に入ると空模様は一変。グレーの雲がにわかに広がり車のフロントガラスにポツポツと水滴が・・・

そして正にこれから、こ れ か ら、ヒメオオのポイントに入ると云うタイミングでスコールのような大雨! な! 何をするだァーーーッ! ゆるさんッ!
大雨と言っても、ザーーー・・・と云う感じではなくバヂバヂバヂッと云う方が合っているような、雨粒の一つ一つに物理的な威力を纏った感じで、車体を打ちつける音が凄まじく大きい。多少の雨ならヒメオオも平気だが、細枝が弾んでしまうような降り方だ。これではヒメオオが木から落下するのでは!? これは……夢だ この私が追い詰められてしまうなんて…… きっと…… これは「夢」なんだ……。

雨は5~10分ほどでおさまったが、さっきまで乾いていたであろう路面もグズグズになっている。長靴・・・持ってきてない。
これは「試練」だ 悪条件に打ち勝てという「試練」と オレは受け取った。採集者の成長は……未熟な過去の成功体験に打ち勝つことだとな…


ポイントには点々と「実績のある樹」が在るものの、“空き家” ばかり。


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いたッ!見つけた!
やっと見つけた時には、既に「実績のある樹」を半数見終えていた。数日のあいだ晴天続きだっただけに、今さっきの雨が無ければどうなっていただろうと思わずにはいられない。

長靴も無い、網も無い、樹は薮の中に生えているが薮に入れる服装じゃない。
せっかく今期初を見つけたワケだし、汚れようが構わず薮に入るとするかなああ・・・とか言ったりして・・・
この樹は♂2頭・♀2頭が付いていたが諦め、採れそうな所に付いている個体が他にいないか隣のヤナギを見ると、いるではないか!
こちらは薮を漕ぐ事無く採れそうだ。

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良ぉお~~~しッ!よしよしよしよしよしよしよし目線と同じ高さに1♂りっぱに採れたぞ!
一度手に取り、サイズを測ってみると52mm。意外と大きい事に驚きつつ、元の位置にゆっくり付け戻した。大抵の場合、樹の枝に戻そうとしてもポロッと落ちるものだが、雨によって身体が冷えて脚も力んでいて簡単に戻せた。54mmあったらお前を頂いてくとこだったぜ、生きのびるのよ あんたは『希望』!!

実際に手に取れたのはこの1頭だけだったが、
樹を全て見た結果、合計7頭が発見できた。
ハイシーズンでこの数はちょっと少ないと思えるが、あの雨で落ちた(下りた)個体もいたと仮定すると、ポイント自体の生息数は依然変わりなくッ!保たれているようだ。

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青森県産コクワガタ市町村巡り 完結編「風間浦村」

長年を掛けて(掛けるつもりなかった)集め続けていた
青森県産コクワガタ全市町村採集
自分で採集する事、♂個体を採る事の2つを達成条件として、2021年までに全40市町村&3飛び地のうち1村以外はクリアしました。

青森県 コクワ採集済みマップ2022時点.png
残る1村・下北郡 風間浦村は、我が青森市から遠い下北半島の奥まった地域に位置している事もあって、なかなか気軽に行くことが出来ません。
これまでに、当地を目的として記憶上3回はライトトラップに訪れています。決して多くない回数ですがコクワガタ狙いだと考えると苦しいところです。勿論、外灯回りに関しては(大間や佐井の帰りも合わせて)それ以上の回数を行なっています。その度にコクワガタにはかすりもせず、何度も辛酸を嘗めていました。


2023年の夏、決着を付けに行ってきました。


はじめに&いざ風間浦へ
7月15日、東北地方北部は梅雨前線の影響で長時間の激しい大雨に見舞われ、特に秋田県は記録的な大雨により市街地の冠水・河川の氾濫・死亡者発生などと云った大きな被害を受けました。青森県においても、津軽地方西部には土砂災害警戒情報が発表され、深浦町では濁流や道路の通行止めと云った土砂災害が発生し、周辺の地区では孤立や避難指示がありました。


 7月16日

津軽西部に限らず県内はこの数日悪天候が続き、自分はもう何日も夜間採集出来ずにいました。前日の大雨から回復したとは言えない天気ですが、貴重な休日を無駄にしたくない一心で、地図・天気アプリ・道路情報サイトと睨めっこです。
道路情報を確認すると、山間部の県主要道は大体が封鎖されています。
天気予報を確認すると、やはり昨日の影響がまだ残っていてこの後は津軽地方や八甲田周辺は雨雲の通り道になる予想です。

こうなると、青森県内で唯一ライトトラップに適しているのは下北地方のみ。
今こそ「やり残していた宿題」を片付けようではないか! と、風間浦を目的地に決定しました。

植林地以外の場所で大きく拓けたポイントが無い事は去年以前までの調査で分かっているので、400ワット機材を車に積み込み、ガソリンスタンドに寄って出発!
時刻は15時半を回っていました。

空は曇天。
7月16日.JPG
↑↑青森市東部の空模様ですが、灰色の雲で埋まっています。

平内町・野辺地町・横浜町を通過中には時折り小雨もパラついてきて、ワイパーを振る事もしばしば。
むつ市内に入ると、道路もところどころに乾き色が見えるようになってきました。


風間浦に入ってしまうと自販機以外には物資補給が出来ないので、手前の大畑地区にあるマエダストアで買い出しします。ここのマエダ、地元チェーン店かつ漁師町なだけあって鮮魚コーナーに面白い品があったりするのですが、今回は大してお金を持ってきていないので――いやお金はいつもほとんど無いか――採集前の小腹を満たすおにぎり手頃な地元名菓などを買ってお会計。・・・いやぁ、大畑産ウニ、自分は食べないけどちょっと買いたかったな・・・

店を出るとどこからか、聞いた事ありそうでちょっと違うような、そんな祭り囃子が聞こえてきました。
町内放送か何かか?と思いましたが、駐車場を出るとそこには祭りの衣装を纏った人だかりと山車が。青森市から離れたところで夏祭りの光景を目にするのは久し振りだったので、殺伐としかかったいつもの気分が一瞬晴れやかになりました。


出発から2時間経った18時30分頃、風間浦村域へ突入。
素朴な土地で、市町村境を跨ぐ所でよく見る「ようこそ〇〇町へ!」みたいな看板は何も無く、地図を見ていなければどのタイミングで風間浦に入ったか分かりません。

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津軽海峡を隔てた向こうを眺めても、今日は北海道は見えません。


村の様子
今回、時系列に沿って記事を書くと狭い村域の為に場所がバレてしまいますので、内容を分けて書いていきます。
(とは言っても採集のうまみがある土地ではないので、仮にこれで場所を暴いたからと言ってその人が得する事は無いんですけどね)

記事の冒頭に大雨による災害の話を書きましたが、ここ風間浦も去年大きな豪雨で何ヶ所も甚大な被害を受けました。
あれから1年弱が経ちましたが、県内外の援助によって多くの場所が復旧を終えています。村域の主要道は海岸線に沿った国道1本のみですが、急峻な山肌がすぐ横に迫っていて、そうした山肌が何ヶ所も崩れて道路を塞いでしまった当時を思えば、よくここまで短期間で直す事が出来たものだと感心してしまいます。

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焼山沢近くの土砂崩れ跡地も、斜面のだいぶ上の方まで直してあります。

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土砂が流れ出た浜も更地になっています。

特にニュースで取り上げられ被害が大きかったむつ市‐風間浦村境付近にある赤川地区は、つい先日橋の工事が完全に終了したと云う事もあって、気が付かないまま通り過ぎてしまうほどきれいな街道になっていました。
一部まだ片側相互通行の場所も残っていますが、今回村内を彼方此方ドライブしてみて、道路の復旧・村の復興が進んでいる事を大いに感じることが出来ました。


海岸沿いの国道から少し中に入れば、様子も一変して山の景色になります。
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住宅地の小路に入れば、家の裏が高い法面だったりと、如何にもこの地域らしい風景です。

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村の観光地・下風呂温泉郷
ここも去年被災した地区ですが、歩いてみる限りその当時の爪痕はもう残っていないように見受けられます。紹介するにはフォトスポット選定がちょっとズレていますが、これは大間鉄道計画跡地のメモリアルロード。街よりも小高い場所に在り、周辺を一望できるいい場所でした(夜だけど)
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趣きのある足湯も設置されていて、乳白色で身体にとても効きそうです。

小さな温泉地と云う事もあって周辺は温泉の匂いで包まれていて、歩いているだけで温泉に浸かっているようなリラックスした気分になりました。


採集
さて採集本編ですが、暗くなる前にざっと巡ってロケーション探しを行ないました。
前段でも書いたようにこの村へは何度も来て採集していて、勿論ライトトラップのロケ探しもしています。そう広くもない村域に延びる林道も少なく、全部チェック済みですが正直言ってクワガタ狙いで理想的な場所は無いに等しいです。
今回、樹が伐られたり地形が変わってどこか新しい場所が出来ていないか期待してみましたが、そう面白い展開はありませんでした。結局、以前1回採集を行なったポイントへ入る事にしました。

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