斜面で立木に激突し、藪漕ぎの最中に熊スプレーを顔面に誤射した、あの時から一年。「今年は絶対採りましょう!」まだ今年の山入りをはじめていなかった
4月、
No.7との電話で
昨年のリベンジを果たすべく予定を練っていた。
青森県未確認のコルリクワガタを見つけに行きたい!しかし北東北住まいである手前、既産地ではつまらないので新規産地を開拓しよう!…という狙いのもと、
「いたら面白いな」と考えた山へ突入したものの、コルリ
(ユキグニコルリ)はおろか、目指す標高にすら辿りつくことが出来ず両者負傷&時間切れでリタイア――という、何とも情けなさすぎる
(そして如何にも日昆らしい)結果で我々2人に強烈な
トラウマ記憶を刻み残した2024年の採集行。
これをそのままにしておけるものか! と、前々から会議を重ねていたのである。
去年は自分が見立てたエリア・ルートだった為、今年はNo.7が探索エリアを選定した。
今年は去年アタックした山塊とは別で、注目した点は
「標高」。前回は山頂でも800m台と低く、険しい斜面を下から登って600mでリタイア。その付近でさえ
既に「コルリ舞うブナの新芽」といった季節は過ぎており、一般に知られるそのエリアのコルリ発生期とは明らかに時期が合っていなかった。
だからこそ標高は重要視すべきと再認識し、標高が比較的低いこの地域の中で
「ここだ!」と思う場所を選んだ。
その場所であるが、
真昼岳という。
秋田県 仙北郡 美郷町と
岩手県 和賀郡 西和賀町の境に聳え立ち、
周辺の山では唯一の1000m級である(1059m)。ここをNo.7が選んだのには去年の苦しい経験が起因している。
この真昼岳は、秋田側-岩手側を結ぶ林道が敷かれており、
標高900m付近がその峠になっている。また、その周辺はほぼ未開発のブナ林が残されており、峠を起点として登山道に進んでも林道に沿って探索しても
「コルリクワガタが採集できる可能性が大いにある」のだ。
冬季は除雪されず通れない為、微妙な今の時期、最悪のケースとして徒歩移動も考慮し
「林道距離が比較的短い秋田側」のルートから入る事で合意。
電話会談を重ねつつ、最後のネックである天気の予報状況を注視しつつ日程を打ち合わせた。残念ながら両者とも “一応立派に” 社会の歯車として回っているので週末しか予定が合わない。
皮肉にも今期は憎たらしいほどに
「平日晴れ、週末雨」のサイクルを繰り返しており、5月の3週目に入った時点でも次の日曜日は雨予報。No.7は都合上、5月第3週と第4週の週末しか動けない。自分の休日数と合わせても、5月は
2回しか行けるチャンスがない… 会議の中で、
5月18日(日)、
24日(土)、
25日(土)の3候補日に絞られた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
天気予報を見ていると、日を追うごとに週末の予報がじりじりと変わっていく。
最初は絶望的な雨予報だった18日の予報は、前々日時点には晴れとはいかないまでも雨マークは消えてくれた。
そして
17日(土)になると、それまで強風だった予報が僅かながら弱まっていく傾向が見られた。まさしく
「風向きが変わってきた」、これは吉兆に他ならない。
そう信じて、この夜の電話会議にて、18日の予定について最終決定を下した。
自分
「また来週にはどうなるか分かりません、ベストではなくとも行きましょう!」No.7
「了解っス、行きましょう!(延期すると思ってた…)」自分
「できればNo.2とNo.6も『目隠しさせて』連れていきたかったんですけど…」No.7
「あぁ、あの下北のヤツですね 笑」(⇒ 記事2018-5-20 北限のルリクワガタの事)
自分
「ただ、No.6は2週続けて子供の運動会だし、No.2も “守るもの” があるんで…」No.7
「えッ!!? No.2は結婚したんですか!?」自分
「いや、アイツの飼ってるネコが昔より増えたんで世話で忙しく…」去年と同じく採集は2人で臨む。
出発時刻も考えると時間が惜しい。
「このまま起きてよっかな」との問いに
「いや、会長は一回寝てください!」と強く制され、
翌日18日の採集は確定した。自分は
青森から、そしてNo.7は現在の住まいである
山形から、向かい合うように秋田の美郷町を目指しそこで待ち合わせる事にした。集合時刻は午前8時。想定するルートでいくと
約4時間を要する事から、自分は少なくとも午前4時前には出発しなくてはいけない。さらに準備や給油の時間も考えると、
午前3時には起きなければならない…キビシ過ぎる…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
改めて、ここで我々の経歴をおさらいしておこう。
つまり
ルリクワガタ属の採集経験についてである。
自分は
青森県内でのルリクワガタのみ。そしてNo.7は
ルリ以外に、
ユキグニコルリの北限産地にて採集した事が1回あるのみ。多数の採集経験があるルリクワガタも、新芽を探すワケでもなく総じて材採の類。
つまり、
“超” のつくコルリクワガタ採集ド素人が新規産地を開拓しようと言っているのである。
そのテの採集に詳しい
愛知の某氏からNo.7が聞いた話によれば、新芽採集とはいっても広大なブナの森の中を彷徨うように歩く必要は無く、「空間」も重要である点も踏まえると早い話が
「山の道沿いを探せばよい」らしい
(他にも色々大事なポイントは聞いたが、それはこの場で公開するのは控える)。
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さて、ここから既に採集への
「最初の関門」が立ちはだかる。
果たして夜中に無事起きる事が出来るのか…?
18日。無事、起きる。午前3時である。「目が覚めて」から「起き上がる」までの猶予時間を見越して
30分前からアラームを鳴らし続けておいて正解だった…
この後どうなるか分からないので起床後の身支度を終えた後は朝食を摂らず、飲み物で軽くのどを潤してから荷物を車に積み込んで家を発った。時刻は
午前3時40分。集合時刻に間に合うか微妙だが、極端に遅刻はしないだろう。
青森市を離れる直前、高台から市内を一望しておく。

東雲を拝むのも結構久しぶりな気がする。
現地までの行程だが、
1.青森市から津軽平野へ下りた後、県道13号線⇒国道7号線に沿って秋田入り2.大館市⇒北秋田市を経由し、国道105号線に沿って南下3.大仙市⇒美郷町に入り、某駐車場でNo.7と集合といった流れだ。Googleのルート案内で有料&高速道路を避けて出した進路だが、下道での到着予定時刻はあまりアテに出来ず不安だ。
クゥ…高速代をポンと出せる財力が俺にもっとあれば…! 今年に入ってから既に、図鑑に採集機材に虫…これじゃ貧乏リーマンには貯金がたまるハズも無い…
午前4時ピッタリになったところで、No.7に現在地と到着予定について一報を入れる。
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長距離トラックと早起きじいさんの軽トラしか走っていない道をストレス無く
ぶっ飛ばしひた走り、やがて矢立峠を通過し
秋田県へ突入した。思えば、外灯廻りでドライブしていても秋田の手前まで来たらグルッと回れ右して戻るくらい秋田の虫には興味が無かった自分が、これから秋田ラベルのクワガタを採りに行こうとしているなんて、何とも不思議な気分である
(ヤキが回ったとも言うのだろうか…)このまま行けば
集合時間にギリギリ間に合うか…とやや焦りながら大館市街地に入ったところで、ふと気が付いた。
「あ、秋田自動車道って無料区間あったんじゃん!」ルート検索の時に高速道路抜きで到着時刻を計算していたのでうっかりしていたが、
大館南インターチェンジから
鷹巣インターチェンジの区間を経由すれば当初の計算より30分ほど短縮できるではないか。
こうして遅刻をする可能性は消えた。しかし同時に緊張も解れてしまったので、車内オーディオの音量を上げて交感神経のスイッチを入れることにする。
だ か ら 貯金が~た ま ら な い~♪(by 打首獄門同好会)平日多忙~で 依然 神 出 鬼 没♪(by マキシマム ザ ホルモン)汗~ダクだーし 全ー身~ボロボロ~♪(by オメでたい頭でなにより)初めて通る土地のせいか、景色も意外と楽しめる。
(ここら辺はブナ帯なのか~)(ほう…道の駅か、もしかしたら後で寄れるか?)ランドマーク的建造物がある街の中を走るより、長閑な小村や地理的な極地エリアを走る方が好みなので、森吉山の麓や田沢湖近くを通った時にはワクワクするものを感じた。
美郷町にいよいよ到達し、標識を記念撮影している間にNo.7から連絡が入る。
「こっちは着きました」こちらも待ち合わせ場所はもう目と鼻の先だ。
| 1日目 往路(山形側) Written by No.7 |
昨日の電話で急遽?採集が決まったので、3時間しか眠れなかった。ただでさえ睡眠効率が悪いのに…
会長からは
「予定の時間より少し遅刻する」との連絡が入っていたので、とりあえず
「了解です! 許しません!」との返信を送っておいた。
睡眠不足で頭がモヤモヤしている状態で
モンスターエナジーを無理矢理喉に流し込む。
事前に見た天気予報では、今回の採集地は一日中曇り。
住んでいる庄内地方では珍しく晴れ間が差し込んでいて、ほんの少しの期待を胸に採集地へ出発した。
(何だかんだ俺も遅刻しそうだったので今回は有料道路を使用、全く持って会長の事を責められる立場ではないのである)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
目の前に広がる広大な田んぼを背景に寝起きのボーッとした頭で運転していると、気が付けば県境を超え目的の
秋田県へ。午前8時に会長と待ち合わせ予定だったが、有料道路を駆使した事もあり、余裕をもって
午前7時30分には約束の集合場所へ着く事ができた。
どうせ会長は着くまで30分、いや45分はかかるだろう。30分以上は暇になる事を確信していたので、暇つぶしに後輩虫屋の
デススト君と電話をする事にした。
デススト君と通話を開始して
45秒後、
午前7時34分。
一台の車がスーッと駐車場に流れ込んできた。
会長だった(随分早えぇやん)
待ち合わせ場所に到着、広い駐車場はガラ空きで、車は2台しか停まっていない。
車の窓越しに目が合い、ニヤリと微笑む。
電話をしているNo.7の仕草を見て、直感的に「
(相手は多分、今福島にいるデススト君だろ…)」と思ったら
やっぱりデススト君だった。何しろ、早朝だってのに
「福島でミヤマ採れはじめました」だのと
ついさっきスマホのグループトークに報告を流してきてたのだから…
No.7
「またソレ着て来たんですか」自分
「そりゃぁこの春採集のブユ避けの為に買ったワケですからね?」去年に引き続き、今回も自分は上着に
ゼブラ柄のパーカーを着て、汗拭きには
松阪牛霜降りタオルといういで立ちで行く。そしてNo.7も、去年と同じく
青いつなぎである。
これから挑む山に2人で向き直る。

写真中央に見えるのが今回の目的地、真昼岳である。
空模様は依然、
グレーのまま。コルリクワガタを採るにはおおよそ適さない天候条件であるが、そんな事よりもただワクワクが勝っている。
No.7にサッと右手を差し出し、一瞬戸惑った彼もすぐに右手を返してしっかり握手を交わした。
(そもそも、会う度にいちいち握手を交わすような間柄ではない。「青森と山形から来てその真ん中の秋田で再開する」と云う位置関係から、なぜか「吉川晃司と布袋寅泰がステージ左右から歩いてきて中央で握手するあのシーン」のイメージがなぜか降りてきたのでちょっとやってみたかった。ちなみに、COMPLEXのファンとかではない。)自分の車に2人分の荷物をまとめ、
午前7時45分過ぎに出発した。
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さて、コルリをBE MY BABYする為に越えるべきハードルが色々あるが、一番心配な問題に今から直面する。
―― 探索エリアにたどり着けるか ――…
昨年は無謀が過ぎた結果スタート地点にすら立てなかった苦い思い出から、前述したように今回はNo.7がエリア&ルートを選定している。林道が通っているとはいえ、奥羽山脈の背骨部分を横断するこの林道の状態は現地に入るまで未知数。もしかしたら林道の入り口がチェーンを張られたり等で
封鎖されているかもしれないし、そうでなかったとしても道の途中で
残雪や
倒木、
崩落などで車を捨てなければならない懸念もある。No.7の試算では、
仮に「歩き」になったとしても昼前には峠付近に辿り着けるとのことだが、探索時間の確保が大きく変わるので非常に気掛かりであった。

林道入り口に到着。
特に封鎖されている様子は無く、車が入った真新しい形跡がある。まずは一安心…
林道に入ると、それまでの心配が何だったのかと思うような様子だった。
流石に舗装はされていないものの路面は想像よりずっと安定しており、山菜採りか釣りらしき車も数台停まっていた。
滞りなく進み、行き止まる気配は感じられない。
気になって自分のスマホで現在地を確認すると、どうやら今自分は大仙市の街の中にいるようだ…。アウトドア向けと云う事で売り出されたスマホのクセに、山の中ではしばしばポンコツぶりを発揮してくるので癪に障る。
No.7のスマホを頼りに、現在地を逐一確認しながら標高を上げていく。
そして、
秋田の山に入ったという事で、他県民として
大変気になる心配事がもう一つ。有名と化した
秋田のクマである。
自分
「いやぁ…クマから見たら俺、めちゃめちゃ美味しそうに見えるだろうなぁ」No.7
「なんでです?」自分
「だってシマウマの上着着て、首に生肉(のガラのタオル)掛けてるんですよ?」No.7は愛想笑いだった。
林道もだんだんと険しくなり、道もつづら折りになってきた。

見晴らしもよくなってきたので向こうの山容を望むと、
おお…残雪だ!この時点で標高はそこそこあるものの、周囲はまだ新芽採集向きではない。今回のエリアであっても探索環境は決して広くない事を悟る。

じわじわと新芽採集が出来そうな様相が垣間見えてきた。
もう少し標高が上がれば季節感もドンピシャになりそう…と期待が膨らんだところで、
あ! ついに行き止まりに!雪をどっさり背後に残して、重機が鎮座している。車を停めて重機の足回りを見ると、昨日一昨日には動いていた様子だ。
自分
「今日が日曜日でよかったですね」No.7
「ですね~…林道は土曜とかでも全然作業してますからね」しかし行き止まりとはいえ、No.7がスマホで位置を確認すると
峠まで残り僅か200mの距離だった。運が良い。細かなハエがチラチラ舞う中、山歩きの準備を整える。
長靴を履き網を携える他に、No.7は上下の防寒着に身を包み
オレンジ色の丸い缶を取り出した。昨年ブユに猛攻撃を受けた事から、その対策として林業従事者用の
強力タイプの蚊取り線香を持ってきていたのだ。
蚊取り線香を腰に下げ、歩き始めたのは
午前9時過ぎである。

固くなった残雪は歩きやすく、行き止まり地点が少々多く見えただけで実際の残雪はそこまで多くなかった。
間もなく峠に到着。

ここが秋田と岩手の境界であると考えると、それだけでちょっと感慨深い。

真昼岳の登山口であり、その為の駐車場も在る。個人的には山登りだけをしようとした事は無いが、青森県内で入り口がこんな整備されてる場所ってそんなに多くない気がする…

岩手側の道は通行止め。
この先の道が整備されていないであろう事をこの看板が雄弁に物語っている。
さあ、コルリ探索開始だ。事前の想定より開始がずっと早まった事もあり、林道を歩いて
岩手側と秋田側を両方探す事にした。峠付近は森林限界の様相である為、午前中は岩手側に下って探し、午後は峠まで帰ってきて秋田側を下って探す流れだ。

見えているこの広大な山々のどこかに、まだ知られていないユキグニコルリの分布地がある…この景色を見ているとやはりそう思えてくる。
進み始めて間もなく、秋田側では見なかった険しい難所が立ちはだかった。
巨大な吹き溜まりの残雪である。林道を丸呑みし、左から右に向かってまっすぐな下り坂のようになっている。坂は目測で約100m下まで続いていて、この吹き溜まりをトラバースするにも70mほどの距離があるように見える。
(現場写真は後ほど)脳裏に過ぎるのは、いつかネットで話題になった
「ニコニコ生放送配信者が普段着同然で冬山の富士山に登り滑落する動画」。固くて滑りやすく、
一度滑ったら止まれないだろう。2人で「どうしようか…」と顔を見合わせたが、完全な氷にはなっていないのでギリギリ歩いていけると判断。残雪の縁部分を慎重に踏みしめていく事でどうにか通過することが出来た。
そこからも残雪は所々に見られるものの、浅く林道上に途切れる程度なので通行上の不都合は無くなった。

さて、残雪地帯と云う事で、ユキグニコルリ採集写真でよく見るロケーションが続く。
まともな新芽の写真を撮っていなかったが、コルリを探す事に必死だったからそこは仕方がない。
発芽段階もまちまちで、冬芽の堅い殻に覆われたものから、既に葉が伸びたものまでバラバラ。
素人だからこその慎重さで丁寧に観察していくものの光るものは見えない。たまに、
コメツキや
カミキリモドキを見間違える程度だ。
No.7
「前に自分が採った時、結構いろんな虫がその周りにいたんですよねぇ」ハエやなんかがプンプン集っている枝もたしかにたま~に見つかるが、枝先にはアリくらいしか付いていない。
歩きやすい春山の林床に分け入り、奥へ深追いしたりもするが何ら進展は無い。No.7は、このフィールドにおける虫の少なさを訝しがっていた。
時刻も
正午を過ぎたので、二手に別れてそれぞれのペースで探す事にした。No.7は気になる谷を見つけ、自分は林道の先へと進む。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
周囲の残雪もだいぶ少なく感じられるようになったところで、
ブナ幼木の4mくらいの位置にスゥーーー…っと枝葉の中へ飛び込む影を発見!急いで網を伸ばすも、時すでに遅し。飛んでいた
“何か” は姿をくらましどこにいるか判らなくなった…
網を立てたまま呆然としていると、後ろからNo.7が追いついてきた。
自分
「この樹の上の方の枝に怪しい甲虫が飛び込んでいったんだけど、網伸ばしてる間に見失ってね…」No.7
「コメツキかもしれませんよね」自分
「多分そうかもなぁーとは思ったんですけど」No.7
「この先どうします?」自分
「この辺りまで下りてくるとそれっぽい樹が無くなってきましたね」歩き始めて4km程度しか進んでいないが、標高は750mを切り既に道路脇の木々は季節が進んでいる様相だ。
No.7
「秋田側を見る時間も惜しいんで、戻りますか~」ヒメオオ採集ならばここからでも挽回出来たりするのだが、今回は流石に帰り道で何とかできそうにない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
見晴らしのいい標高まで戻ってきたところで、
周囲の違和感に両者気付き始めた。

午前中はまだグレーの雲に覆われている程度の空模様だったのだが、今は違う。
上空がぼやっと霧で霞んでいて空との境界線が見えない。ふぉぉぉ…っと横風も感じるようになってきた。
ネットや本で見たユキグニコルリの野外風景にこんなの無かったよな…?
峠まであと一息、再び相まみえるのは
例の吹き溜まり。

林道を覆って長い斜面になっているのがお分かりいただけるだろう。

先を進むNo.7の後を追い、ゆっくり足場を確認しながら渡っていく。
(Photo by No.7)時刻は
午後1時15分。
峠まで戻ってくるも、既に周囲は霧に包まれていて、サイレントヒル状態である。当然ながら気温もぐっと落ち込み、山を歩いていた自分達の体感でさえひんやりとするものがある。
自分 「…これもう、今日無理っぽくないすか…」No.7 「…帰りましょう…」
秋田側に下りてくると
さらに景色は白く霞み、
もうコルリが新芽をどうのこうのとか言っている場合ではない。これでは車で林道を戻る事すら危険である。
そそくさと武装を解除して下山となった。
その道中、どこからそうなったか
記憶が定かでない。採集中も、ただ歩いていただけでハードにも感じなかったのだが運動不足の弊害はやはりあったのだろう、山を下り始めて
すぐに限界がきた…自分
「……………っ!!!!!」No.7
「運転交代しましょうか…!?」自分
「イヤ。ダイジョーブデス。」No.7
「その、いきなり背筋ピーンてなるのホント怖いすけど」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
自分
「………!!!!!」自分で自分の頬をバシバシ叩く自分の様子を見て
No.7
「会長一旦停まりましょう! 自分が運転します!」運転席をNo.7に譲った…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
自分
「おおっ! 左ちょっと寄ってます、もうちょっとゆっくり…!」No.7
「会長って運転交代すると途端に眠気覚めますよね…」結局そのまま林道をひた走り、元の駐車場まで戻ってきた。
午後3時を回った頃なのに、若干薄暗かった。
さっきまでいた山での感覚がどこか幻のように思う中、「お疲れ様」のねぎらいだけを込めて自販機のジュースで乾杯する。満足感からはほど遠い味がする。
朝には見えていた真昼岳を含む山々は、
もう何も見えない。真昼岳が在る “はず” の方角を見つめながら、2人で力なく苦笑いする。
No.7 「いやぁ…山を舐めてましたね…」自分 「と言うか、すごく舐めてましたね…」たった1回しか来ていないが、流石は秋田というか、
「日本一日照時間が短い県(年にもよるが)」と言われる地なだけはある。
(…とか言いつつ、統計的には実は青森県が一番だったりするらしい…ある意味光栄だな…)それだけに、
「天候が万全だったら果たして採れただろうか?」という疑問に2人共シーンと黙り込む。
そもそも、林道も敷かれ登山道まで整備された地元のシンボル的な山であるならば、岩手・秋田両地元民によって積極的な調査はあったと考えるのが普通である。もちろん断言はできないが、それで今まで見つからずにいられるエリアか? と考えると、やはり
「分布しているならとうに見つかっているのでは」と思い至るのは当然と言える。特に今回、アクセスへの難度を確認し、人の出入りの程度を直に見た事で、確信に近いものを得た気もする。
機会を伺ってまた調査するか? という問いに2人で出した答えは、
「もう必要ないでしょう」年間僅かな期間しか得られない新芽採集、その今年分をこれで終わらせるかについては2人揃って否定したものの、「じゃぁまた来週違う場所を!」と明言する事は無かった。
あとはとりあえず、残りの時間でゆっくり身体を休める事。明日は月曜日なのだから…
午後3時20分、当初の予定よりだいぶ早い解散となった。
どうせ暗くなってからの帰宅になると思っていた為、当初は直帰するはずだった。しかし…どうしよう、こっち側に来る事もまず無いのでせっかくなら、道中通り過ぎた
道の駅でも覗きに行こうかと思い立つ。
往路では山沿いの農道を通ってきたので、街並みの景色を楽しむためちょっとだけルートをずらして美郷町を後にする。
ありがとう、でももう来る事は…・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
長距離ドライブのモチベーションが回復したのでそのまま道の駅まで一直線! …かと思いきや、
ドライブ再開後間もなく脳に限界がきた。やはり前夜あまり寝てなかった影響だろう。
ウトウトどころか
ガクッとくるタイプの眠気だったのでコレはマズイと思い、大仙市大曲の某所で仮眠をとる事にした。
フッと目を覚まし時計を見ると
午後4時半頃。およそ1時間ほど気絶していた。
少し脳がズキズキ脈打つような感覚はあるが、ちょっと呼吸を整えると回復してきたのでドライブを再開した。
ただ、残念ながらこの1時間の休憩によって帰りの予定がまた狂ってしまった。
目的地の道の駅に到着したのは午後5時8分。道の駅の営業時間は
午後5時まで。
…間 に 合 わ な か っ た。悔し半分に自販機で飲み物だけ買ってその場を離れる。

日が暮れていく道中の
北秋田市。路面もしっとり濡れていて天気がいかに悪かったか再認識する。
この後、
秋田道を通り抜ける頃には真っ暗になり、時刻も
夜7時近くなってしまったので空腹に耐えきれず
大館市内で弁当を買ってしまう。何も採れなかったクセに、許されざる愚挙である。

仕事で大館市を通る際に度々訪れる
まつむら商店。チェーン店ではあるが秋田が本社なので、ある意味これもご当地食と言えるのだろうか…? 一応青森県内にも展開しているのだが、いずれも南部方面ばかりなので津軽民の自分には馴染みが無い。ここの唐揚げは衣がバリバリで個人的には歯への負担が大きいため、食べる際に若干覚悟が要るという…
(なお、ここはグルメブログではないので買った食べ物をいちいち載せたりしない)そのまま大館市内で夕食と車の給油を済ませ、

青森市内に戻ってきた頃には時刻は既に
夜の9時を回っていた。
| 1日目 復路(山形側) Written by No.7 |
どっと疲れた足で駐車場を後にする。
やっぱり久々のMT車
(会長の車)は運転し辛く、自分の車がしっくり来る。
会長は、帰りにお土産がどうとか産直にでも寄ろうとか言っていたけども、
俺の目的はただ一つ、直帰である。ただでさえ睡眠不足の体に鞭を打ち行動してボロボロだったので、とにかくちゃっちゃと帰って自分の
オフトゥンで休みたいのである。
睡眠不足で道中の意識も飛び飛び、かなり危ない状態だったので道中のコンビニで休憩を挟みながらアパートを目指した。
無事にアパートに到着した頃には
午後6時を過ぎており、全身はバキバキで車の中は睡眠を誤魔化す為のエナジードリンクの香りで充満していた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今回のポイントは俺なりに考えて、大分可能性のある場所だと行くまでは確信していたけども、現実は違っていて、あのチッコイ
青い悪魔を見る事は敵わなかった。
もっと現在の北限付近に可能性のある場所があると良いのだけれども、今回のポイントが標高もそれなりにあって、唯一北限更新の可能性のある場所だった。
採れなければ次の週も採集を! とは会長と約束していたけれども、今回のポイントを含め、勝負できそうなポイントが見つからないので現状厳しいとしか言えない。
あまり持ち越したくはないけれども、会長も別案が無ければ来週はマグソ開拓に行くと言っていたし、恐らく次の勝負は来年かなぁ。
ヌルく寒かった18日の採集から一夜明けた、
19日の夜の事である。
早くも再戦希望の連絡が来た。No.7
「エリアの選定を見直してもう一度探してみたんですけど、『ここしかない!』って所を▲YAMAPで見つけたんですよ!」前回はちょっと
ロマンを抱き過ぎたと云う点を反省し、今回見つけた場所は既産地を基準として地理的な合理性を重視したとの事。勿論、我々が生息環境へ到達できると云う事が前提である。
その山は前回の舞台よりもずっと低く、
山頂800m級ではあるものの、その代わり
「登頂可能な山である」と云う事。しかも
YAMAPの活動日記
(登山記録)で探すと、何と僅か数日前に登頂している人までいた。
No.7 「衝撃的な場所ではないですけど、ここで採れば間違いなく新産地です」前日を経てだいぶ現実的な思考に落ち着いてきた自分も、これには
「行きましょう!」と即断。
あとは日程、次の週末
24日(土)と
25日(日)のどちらに行くかだが、これは前日23日時点での予報を見て決める事になった。
自分
「もし、次で採れなかったら今期もう無しですか?」No.7
「そっすね、次の週は別の予定あるんで…来年に回すの正直イヤなんすけどね~」自分
「ん~心配無いですよ」No.7
「…?」自分
「天気良かったら次はオレ単独でまた挑んで採ってきますから 笑」No.7
「うっわ最低だこの人! じゃぁこっちは有給休暇使って平日採りに行きますわ 笑」自分
「あ~! そうきたか! 今こっち平日忙しいから有給なんて考えは無かった 笑」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そして
23日(金)。
週末の天気を見ると、25日(日)はしっかり
雨の予報。一方24日(土)は、降らないまでも
一日中曇天……言ってしまえば
前回と同じような予報だ。
――しかし今、行かずして採る機無し――…迷うことなく24日に決まった。
決行当日24日。先週は久しぶりの県外採集だった事もあって程よく緊張感をもって起きる事ができたが、この日はちょっと油断して
午前3時を過ぎてしばらく経ったところで目が覚めた。
急いで準備を進めるも、出発したのは
午前4時。事前に打ち合わせた集合時刻は
午前7時30分、あまり余裕は無い。

前回と違ってしっかり周囲は明るくなっている…
時間の余裕は無いが、車の燃料が空なので給油に立ち寄る。

う~ん、だんだんとガソリンも安くなってきたなぁ…♨
そして、この後の登山に備えて自分の燃料補給の為24時間営業スーパーに立ち寄る。
モンスターエナジーやら
inゼリーやら
カロリーメイトやらを買い込む。再三言うが、時間の余裕は無い。
ここでNo.7から着信。
ナビの試算で到着時刻が予定より遅れ、
午前8時をそこそこオーバーするとの事。
遅れるならばこれ幸いと、気に負う事無く自分も予定が8時過ぎになりそうだと伝えた。
今回は集合場所が違う為、時間短縮も兼ねて
碇ヶ関インターチェンジから東北自動車道に入りそのまま南下していく。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
秋田県に突入し
花輪サービスエリアの
松屋を横目に捉えた時、そういえば青森市に初出店する松屋が昨日23日にオープンしたばかりだった事を思い出し、
「よし、この採集の帰りは下りのサービスエリアで松屋に入ろう!」と今夜の食事を決めた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
岩手県入りしてしばらく。高速道路を下りるまであともう少しというところで、No.7から
「(集合場所に)着きました」との連絡が入った。
時刻は
7時半を回ったところ。
な~に~が~8時じゃい!自分
「自分の予定は8時ごろです」No.7
「了解です! 許しません!」予定通りに高速道路を下り、予定通りに目的の地へ突入した。
去年に続き2回目の西和賀町である。
午前8時8分。待ち合わせ場所の某駐車場に到着。
No.7 「オイ! 遅せぇぞ!!!」自分 「オイ! 早えぇぞ!!!」2人とも笑顔である。
ただし、空を見上げると2人揃って表情が曇る。

先週と全く同じ、
グレーに淀んでいるからだ。

ウェザーニュースのアプリでも、今日は一日中どんよりしていて気温も上がらない予報。明日の雨予報の関係もあって、ここから悪くなる事はあっても良くはならないのは確信できた。
丸一週間空けたのに、なぜ同じコンディションなんだ…移動して目的エリアの登山口に到着し、装備を整える。
前回は山奥の峠近くまで来てからの準備だったが、今回は山の麓から出発するので、周りは草葉が生い茂り季節感がずっと進んだように感じる。
持ち物・は前回とそう変わらないが、
一つだけNo.7は迷っていた。No.7
「いやぁ~…長靴とトレッキングシューズ、どっち履いていくかなァ…」長靴はスパイクが付いていてコルリ生息エリアに着いた時に残雪の上を歩くのに楽だが、底が薄いので登山には酷。
トレッキングシューズは登山中は楽だが、アウトソールが擦り減っていて雪上では滑りやすくなっている。
No.7はしばらく悩んだ後、思い切ったように
長靴を履いた。ちなみに自分はトレッキングシューズである。
午前8時40分を過ぎたところで出発した。

登りはじめは湿度高めで下草の鬱蒼とした緩やかな傾斜。登山者も少なくないのか道も判り易く、ひたすら歩き続ける。
しかしゴロゴロ転がっている石に足を取られる事も重なってか、はたまた予想以上に体力が落ちていたか、いや…前を歩くNo.7の蚊取り線香の煙で苦しいのか
(俺はハエか!)、まだ数十分と歩いていないのに息切れしてきた。No.7は色々喋ってはいたが、自分にそんな気力は枯れてしまっていた。
自分
「…もうそろそろ頂上ですかぁ~…?」No.7
「いやまだ登り始めたばっかじゃないすか!」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

低地を抜け、下草が徐々に単純化してブナも見えはじめた。傾斜が急にはなってきたが、少しずつ開放的な空間になってそよ風も感じられるようになってきた事で、線香の煙は気にならなくなってきた。
しばしば
ロープが必要な急登もあり、網を持って歩くのにもやや難儀するが「○百m地点まで上がりました!」と2人でモチベーションを保ちながらひたすら登る。
下界が見えるくらいの標高まで来たが、夏の深緑の景色はまだ下界と同じままだ。

自分
「雪、ホントにまだ残ってるんですかねぇ ハァハァ(意訳:果たして新芽はまだ残っているのか?)」No.7
「早く雪が見たい~… ハァハァ」自分
「今の、雪国の人間とは思えないセリフですね 笑」No.7
「確かに雪国の人なら絶対言いませんね、『雪が見たい』なんて 笑」弱音ももれるようになってきたが、
標高700mに来たところで
“白い天使” を発見した。
雪だ~♪ (写真中央下に小さく見える)やっとステージが変わったような感覚を覚えたが、まだ少しコルリの環境っぽさが足りていない。
色々な木々が芽吹き始めているが、「こんなのコルリの野外観察写真では見た事無いよなぁ」と思う樹種ばかり。高木は日当たりのせいか既に葉を広げていて、低い幼木の一部だけがなんとか新芽を保っているような状態。
それにしても、なんだかやけに若葉の白い毛が濃いような感じがするな…近づいてよく見ると、新芽の毛ではなく、
白い綿毛を纏った虫が新芽に密集しているのだと判った。いわゆる
「雪虫」ってヤツか?
ワタアブラムシの何か(エノキ?)だとは思うが確信は無い。これもある意味
“白い天使” か…
山頂まではもうすぐだが、新芽も増えてきてしばしば立ち止まるので歩くペースは遅くなる。
風もやや強く感じるようになってきたが、
遂に登頂。山頂部は思っていたより環境がイマイチ、見回ればすぐに探し終わってしまいそうな狭さである。
事前に見た地図では
この山頂を越えて尾根沿いにまだ道が続いているはずなのだが、廃道化したのか完全に塞がっている。つまり、
ここで行き止まりと云う事。
覚悟を決めて山頂の周りを丹念に探すことにする。かなり狭い場所だが、両者バラけて探索を開始。

No.7は藪を抜けて山頂脇斜面の吹き溜まりを歩いて渡り、コルリが飛んでいそうな開けた空間を探す。800m超えの山頂と云う事もあり、その辺りはまだ冬芽の樹も多い。
自分は、山頂から見渡した近距離のブナ灌木の新芽を虱潰しに観察する。2~4m上の枝を見ても、空の白さによって完全に黒潰れして見えるのでちょっと失敬して登らせてもらう。
「山の頂で樹に登るシマウマ」…もし写真に撮られてたら来年の年賀状はコレで決まりだったね…
しかし、そこにいたのは例のアブラムシの群れと、同定がめんどくさそ~な銅色のチョッキリ
(体長2mm)だけだった。
続いて自分もNo.7の後を追って吹き溜まりの空間に入るが、やはり固まったシャーベット状の残雪の上でトレッキングシューズは滑る! 慎重に歩いて探すものの、やはりコルリは見つからない。
山頂付近では結局見つけられず。それならばと、
「行ってやるヨォ!」と息巻いて行き止まりの奥の藪に2人で突入するも灌木が密生していて、かすみ網に引っ掛かった鳥のようになったところで
「これ以上は行くのやめましょう」とNo.7に止められる。
三角点の位置まで一旦戻り、昼食を摂りながらこの後の探索をどうするか考える事にした。
ここでNo.7が電話をかけて誰かと話し始めた。採集法を確認するかのように話をしているところから察するに、おそらく
愛知の某氏と話しているのだろう。
電話を切ったNo.7が、
「ちょっと道を戻って標高下げて探してみましょう」と提案してきた。お、やっぱまだ諦めてないのね。

時刻は
正午を過ぎた頃だったが、いつの間にか景色が悪くなっていた事に気付いた。
これって、アレだよな…! 先週と同じ展開じゃん!霧がたち込めてきて、肌寒さすら感じる。

分厚い雲の層が我々の直上まで迫ってきて、目の前も所々が霞んで見える。
さて、希望の薄いコルリ探索の続きだが、一度通った道だけにさらに入念に新芽を覗いていく事にした。見えれば新芽に潜った個体が透けて見えるとの事だが、生憎そんな物はいないし、枝を見上げると雲と霧の反射で物体が黒潰れして透かし見が出来ない。
また、手が届かない高い枝は
伸ばした網を入れて枝先を揺らしてみると採れることがあるのだと云う。
破れかぶれとも言える方法だが、視界も悪い以上やるしかない。やってみると、ブナの芽の殻や例のワタアブラムシがほとんどだが、たまに小さなハチも入っていて現状でのルッキングよりは可能性を感じた。
この方法を主軸にして、
新芽の枝がある標高=700m地点を過ぎるまでこの足掻きを続ける事にした。しかし、コルリはおろか甲虫すら入らない。
標高もじりじりと下がり、少しずつ見通しは良くなってきたが飛んでいる虫もいない。
「このまま終わってしまうのだろうか…」段々とそんな予感が現実味を帯びてきた。

樹の一本一本を伝うようにガサ入れを続けていたが、
遂にその瞬間は訪れた。時刻は
午後1時17分…
なんと、奇跡が!!!!!〉〉続きを読む