日程的にももうここから毎日記事をUPしていかないと間に合わない計算なのですがぶっちゃけモームリ! 昨日ようやく自作の年賀状を作って投函し終えたばかりなのに、まだまだパソコンから離れられない状況です。
さて今回は、去年野外品を購入して初飼育に挑んだトラグルスノコギリです。
前回までは、
・購入
・産卵
・割り出し
までを記事に記してきました。
今回は、その続きです。
[幼虫期]
昨年9月17日。得られた19頭は個別に500~800ccの容器に移し、一部は簡易温室、また一部は冷やし虫家と云う感じでバラけさせて管理する事にしました。ハイ、勿論ベターな管理環境を探る為とかじゃなく、余裕のないスペースの中でどうにか場所を見つけて押し込めただけってのが理由なんですが(とは言え、それなりに空間をとって飼育していると、「この辺りに置いた虫は順調に生育する・しない」みたいなのはボンヤリ解ってきますよね)。
ほとんどが1令だったので、♂♀も意識して置く事もありません。
この時、エサのマットには一律で生オガ発酵マットを使用したのですが、ちょっと冒険し過ぎました。
と云うのも、この銘柄はちょっと添加が強いグレード高めの製品だった為か、数ヶ月後には様子が不穏になってきたからです。ボトルやビンの様子は大別して2つ、【成長した3令がたまに壁面に姿を見せるもの】と【幼虫が一切姿を見せず、マットがそのまま次第に乾いていくもの】とに分かれています。
そもそも、まだエサ慣れしていない幼虫――しかも1令に高添加の生オガ発酵マットは “アクが強すぎる” のは当たり前で、拒食を起こして死亡もやむなし。
ちょっと無茶したかな…と思い、最初の羽化個体が出現したタイミングでまだ姿を見せない幼虫は別マット(フォーテック製のヒラタ・ノコ一番)に交換しました。交換の際は容器の上半分だけ交換・または全交換で、幼虫の成長が遅いものほどマットの交換量を増やしました。中にはやはり死亡個体もいましたが、意外にも成長が遅れているだけで耐えている個体も多かったです。生オガ発酵マットという特性上、水分量の安定感が悪くて期間が長引くと乾燥気味になってしまうのが成長の遅れに繋がっているように思われました。
生オガに順応できた個体は、早ければ5月に入ったら蛹室を作り、6月中には羽化個体も見えるようになってきました。
9月にもなると羽脱個体も現れてきました。1本がえしの為、この頃になってようやく性比も大方把握出来てくるのですが…♂に偏りましたね。
[羽化データ]
生オガ発酵マットに合わなかった個体では、成長が遅れ今ようやく蛹化したものもいます。
今回は、順調に育った個体を中心に現時点までの羽脱個体を抜粋して載せていきます。
【産地】ニューギニア島 西パプア州 アルファック山脈
【累代】WF1(親♀28mm)
【温度管理①】スタイロフォーム簡易温室(最低20℃~夏場最高29℃)
【温度管理②】冷やし虫家(最低20℃~最高22℃)
♀-①
2024年9月16日 割り出し 1令 生オガ発酵マット800ccクリアボトルへ
2025年4月15日 内部乾燥の為、マット半分をヒラタ・ノコ一番に交換
2025年8月4日 羽化確認 28mm
19頭採れていて♀はまだ4頭しか羽化していないのですが、この個体が現在時点での最小個体。
数値は親♀と一緒で、飼育で大きくしやすい本種としては普通サイズ。途中でマット交換した事から分かるように、3令の成長期の途中で乾燥させてしまったミスが響いた結果でしょう。
(ただし、生オガ発酵マットの不適応ではなかったようです。本当に適応出来なかった個体は成長が遅れて今も幼虫のままですからね。)
親♀個体(前記事に写真あり)と比べると、やはり新成虫は光沢が強くてきれいです。これを見てあの野外個体を思い返すと、よくあんなに擦れ擦れになった個体が20頭近くも卵を産めたなと感心しますね。
裏の色味は一面赤褐色で、「飼育品だから」どうこう違いがあるワケではありません。
♀-②
2024年9月16日 割り出し 2令 生オガ発酵マット800ccガラスビンへ
2025年9月12日 羽脱確認 36mm
一方こっちが最大個体。この個体の管理は冷やし虫家で恒温維持ですが、マットの状態・幼虫の適応もうまくハマった結果です。スタイロ温室管理も冷やし虫家管理も、両方で成長不良(生オガが食えない幼虫)が発生していました。
それにしても、ここまでくると丸々太っていて破裂しそうな体型に見えますね、最早コガネムシ。
♀の羽化個体は、上記含めて28、34、35、36。マットが途中で乾いてしまった♀-①28mmを除いて、順調に管理できれば30mm台中盤にはなると云う事ですね。
それでは、続いて♂羽化個体の代表を5頭載せていきます。
♂-①
2024年9月16日 割り出し 1令 生オガ発酵マット500ccクリアボトルへ
2025年6月10日 内部乾燥の為、同容器でヒラタ・ノコ一番に全交換
2025年8月19日 羽化
2025年10月27日 羽脱確認 60mm
今の時点での最小個体ですが、それでも短歯は回避しました!
そもそも500ccのダイソークリアボトルに入れていたので、容積が小さく生オガがすぐ乾いてしまったのがダメでした。生オガの使い方に慣れてないと容器外観だけでそのまま大丈夫だと思って放置しがちです。2月くらいに同じマットで大きなボトルに替えていれば今季最大クラスが羽化できたかも知れませんね。
♂-②
2024年9月16日 割り出し 1令 生オガ発酵マット800ccクリアボトルへ
2025年9月12日 羽化確認 62mm
順調に成長した早い個体だと6月に羽化してきているのに対し、こちらは9月頃の羽化です。今となっては判らないですが、多分この個体は冷やし虫家で通年低温にさらした個体じゃないですかね? 一本がえしなので、拒食にはなってなかったはず。
上から見ると爪楊枝みたいな没個性の大腮(※個人的見解です)ですが、真横から見ると上反具合が美しいですね。
また、今のところこの個体だけ前胸の黄帯模様が太くてこれも美しいです。模様の出方に個体差が現れるのってWF1の面白さですよね。
裏側もちょっと他の♂より色が薄く、腿節がちょっと黄色っぽくなっています。
♂-③
2024年9月16日 割り出し 1令 生オガ発酵マット800ccクリアボトルへ
2025年6月20日 羽化
2025年8月19日 羽脱確認 66mm
サイズの順番で③番目の紹介ですが、これが♂羽化第1号。
スタイロ温室管理で、蛹化のタイミングが春期でそこから不安定に温度上昇が起こっているはずです。多分悪い影響にはなっていなかったでしょう。
それにしても立派と言うか、買った野外品♂がたったの32mmだったので中型ノコの迫力を存分に堪能できて感無量です。基本的に♂の蛹室はどの容器でも外から中が丸分かりだったので、蛹の段階から観察が楽しかったですよ。テネラル状態の乳白色の上翅は色ノコ好きには必見ですね。
まぁ…この個体はもうヤフオクで飛ばしちゃったんですけども。
♂-④
2024年9月16日 割り出し 1令 生オガ発酵マット800ccクリアボトルへ
2025年6月28日 羽化
2025年9月上旬 羽脱 66.7mm
♂-③と同じくスタイロ温室羽化個体。1本がえしが上手くいったのも同様で、生オガにうまく適応するとWF1で800ccでもこのくらいになると云う事が分かりました。
大腮は大変よく伸び、本来のヒョロヒョロ具合にさらにデフォルメがかかってむしろカッコイーように見えますが、ただの親馬鹿でしょうか…
♂-⑤
2024年9月16日 割り出し 1令 生オガ発酵マット800ccクリアボトルへ
2025年5月23日 蛹確認
2025年6月某日 羽化
2025年9月上旬 羽脱 66.8mm
これも前出の♂-③④同様のスタイロ温室飼育。で、この個体が今時点での最大個体です。
他には65mmが1頭、63mmが1頭、62mmが1頭など出てきている状態で、エサ・容器共にほぼ揃えたこのやり方では66mm台が限界値なんでしょうね。1回交換で1400クラスに入れるとかしたら、あと2mmくらい大きくなったのかな?
ちょっと猫背で写真を撮ったので♂-④より寸胴気味ですが、体型も良く大腮もよく伸びています。
ちなみに、サイズの目安としてBE-KUWA飼育レコードを引用すると
| 【♂野外最大】68.0mm 【♂飼育最大】71.3mm(2011年)ナビレ産、CBF1、発酵マット飼育 【♀飼育最大】36.6mm(2025年)ハルマヘラ産原名亜種、WF3、マット飼育 |
過去の登録個体にはWF1で68.9なんかもいたので、レコード更新に挑むにも本気で取り組めそうです。
[WF1のブリード]
成長不良の幼虫もまだいる状況ですが、順調に羽化した個体がヨボヨボにならないうちにブリードを開始します。
(いつもいつも全頭出揃うのを待ってその結果しくじるからなァ…)
ひとまず1セット組みますが、ペアリングする個体は出し惜しみなく、最大個体の♀-②&♂-⑤。
2000ccブローにエサ皿&プロゼリー配置で同居。すんなり交尾に至りました。
さて、今期は産卵マットがことごとくハマらずしくじり続きでした。どこの何とはあえて言いません!(無意味!)
なので、まだ産卵用マットの在庫はありましたが別銘柄を注文しました。
記事を書いている今になって思えば、野外品の時の産卵に使った月夜野きのこ園製 産卵マットでも良かったかなとも思ったんですが、なんかやっぱり「一度使った新製品」より「信頼と実績の老舗銘柄」を選んじゃうんですよね。(産卵マットの方も中身はほぼほぼ老舗銘柄のきのこマットだったけどね…)
10月28日、Beケース(中)に加水したマットをそのまま詰めて♀を投入。
数日後には卵も見えてきたので、ひとまず来期も楽しめそうです。
